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アイドルのダンスは「入る・入れる」で完成する・コミックゼノンCMダンス編取材

いしたにまさきブロガー/ライター/アドバイザー

アイドルと言えば歌とダンス。モーニング娘の鞘師里保さんの卒業が、アイドル好きだけではなく、アイドル達の間でも大きなニュースとなったのも、彼女の卓越したダンスによるものが大きいと勝手に思っています。

さて、そのアイドルとダンスということで、コミックゼノンのCMで「ダンス編」という名前のついたものがYoutubeにアップされました。

これ、コミックゼノンのCMなので、地上波でも流れたものなのですが、1分の長さということもあって、テレビでは1回しか放送されなかったものです。もう1度見たい!という要望が多く、今回コミックゼノンの公式Youtubeチャンネルで公開となったわけです。

さて、実は。

このCMの撮影現場に取材でお邪魔していました。1日に何本ものCMを撮影するという撮影現場。さぞかしピリピリして空気なのかな?と思いきや、意外とほんわかムード。

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このCMに出演したのは、さんみゅ〜の木下綾菜さん(上の写真右・@d_ayn)と神宿の一ノ瀬みかさん(上の写真左・@mika_kmyd)。

CMも学園のいろんなシーンを撮影していて、長い廊下を使ったものなんかもありました。

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そして、撮影の後半の佳境が、このダンス編の撮影でした。1分のCMとはいえ、ノンストップでしかも普段は別のグループに所属している2人がいっしょに踊るわけですから、そりゃそう簡単にはいかないわけです。

ということで、まずは撮影の合間を縫って、個別レッスンが撮影日も進められていました。以下、神宿の一ノ瀬みかさんの個別レッスンの様子です。

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そして、このレッスンの間、振付師の先生(AKB48なども手掛ける西田一生さん)が、耳慣れないことを言うんですよね。

ああ、まだダンス入ってないね

あ、だいぶ入ってきたね

お、半分ぐらい入ったね

もう少し入れていこう

あ、もうこれで十分入ったでしょ

ダンスの振付と言えば「覚える」と言葉がくると思っていた私にといっては、この「入る・入れる」という言葉そのものも使い方もすごく新鮮でした。たんに私にダンスの知識がないということであれば、それはもうホントすいません。でも、この表現にびっくりしたんです。

そうこうするうちに、さんみゅ〜の木下綾菜さんの1人パートの撮影も終わり、いよいよダンス編の撮影です。

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カメラと照明を前にして、今度は2人でダンスを合わせていきます。

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当たり前なんですけど、1人で踊るのとは、これがぜんぜん違いますし、2人が交差するところもあるわけです。

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撮影ですから、ただうまく踊れてもダメです。カメラチェックをして、またダンスを合わせていきます。

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この様子を、横で見ていて、やっとさっきの「入る・入れる」の意味がだんだんわかってきました。

ダンスは振付を「覚える」では足りないんですよ。

覚える以上の何か、それが「ダンスが入る・ダンスを入れる」なのです。

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その後、何度もテイクをやりなおし、ダンス編の撮影も無事終了。

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いい曲だけでもダメ、いい振付だけでもダメ、踊れるアイドルだけでもダメ。それがバラバラではいい仕事にならない。

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全部が一体となって、最後に演者であるアイドルにダンスが入っていかないとこういうレベルの高い表現は生まれないのです。今回の取材はそれができあがっていく様子を見ることができたまたとない体験となりました。

そして、できあがったのがもう一度貼りますが、このコミックゼノンCMのダンス編なのです。

なお、このCMのメイキングもアップされています。2分半ぐらいから、ダンスの話もしているので、よろしければこちらもどうぞ。

ブロガー/ライター/アドバイザー

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、2007年第5回Webクリエーションアウォード・Web人ユニット賞受賞。「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」「あたらしい書斎(インプレス)」など著書多数。2011年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザーに就任。ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなど、ネット発のカバンプロデュースも好調。 #カゲサポ

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