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日本の天文学プロジェクトチームはハワイにたどり着けそうです~記事公開後の動きと補足

石渡嶺司大学ジャーナリスト
17日19時現在、目標金額80万円を大きく超え達成率249%まで伸びる。

1日で100万円集まり、資金調達成功!

昨日、深夜0時過ぎに前記事を公開。

日本の天文学プロジェクトチームはハワイにたどり着けるのか~1億円が出せて旅費80万円が出せない謎

午前10時前後から、Yahoo!トピックスに掲載されます。

正確には、Yahoo!トピックスのIT・科学欄です。

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この影響から、記事PVだけでなく、クラウドファンディングサイトも閲覧が殺到。

11時40分ごろには、同サイトのサーバーがアクセス過多で見づらくなってしまいました。

※13時45分ごろ、復旧

記事の反響は後述するとして、このクラウドファンディングにも寄付が殺到。

目標金額

16日・0時10分:59万8440円(達成率74%)

16日・13時40分:107万5520円(達成率134%)

16日・14時50分:134万2700円(達成率167%)

16日・22時10分:165万740円(達成率206%)

17日・19時10分:199万3540円(達成率249%)

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Yahoo!トピックスの掲載は、Yahoo!編集部の権限によるもので、私は何もしていません。

それから、クラウドファンディングについても、私は一切、無関係であることはいうまでもありません。

あくまでも、取材させていただいただけです。

とは言え、このクラウドファンディングサイトの金額の推移、見ていてすごかったです。

※こういうの、選挙マニアならわかっていただけるでしょうか。

古屋准教授、お礼コメントを発表

古屋准教授は、資金調達の達成を受けて、クラウドファンディングサイトとTwitterに、お礼コメントを発表されました。

おかげさまで本日、達成率100%を超えることができました。私たちがクラウドファンディングに取り組んで以来、支援してくださる方々が一人二人と増えていきました。その歩みを皆さまと重ねた結果、今日、このご報告に至りました。

当初の目標額80万円を上回るご支援につきましては、観測が継続する今後3年間にわたって、ハワイ島のジェームズクラークマクスウェル望遠鏡(JCMT)へ研究者を派遣する旅費として優先的に使わせていただきます。

さらに研究の進捗状況によっては、各国のチームと作成しているデータ解析プログラムの噛み合わせ試験を行い、最終的にデータ処理パイプラインへの実装を完結するための研究打ち合わせ旅費として使用させていただくことも有ろうかと思います。

私たちは、取得されるデータを徹底的に解析します。天体が発する微かな信号を通じて、宇宙が私たちに語りかけているメッセージを読み取っていく所存でございます。このようにして得られた研究成果は、順次、査読付き論文として国際誌に発表いたします。

皆さまの暖かい励ましの言葉に、こみあげてくるこの気持ちを表す適切な言葉が見つからないもどかしさを感じます。どうもありがとうございました。

星形成領域サブミリ波偏波観測・日本チーム19名を代表して 2016年5月13日22時30分

古屋教授のお礼コメントが掲載されたクラウドファンディングページ
古屋教授のお礼コメントが掲載されたクラウドファンディングページ

読者からの反響・1~科学研究費の活用

ここから、読者の反響をいくつかご紹介します。

多かったのが、科学研究費についてです。

igni3

研究計画での予算どうなってたんだろう

hfukuda58

インタビューしてる暇有るなら科研費の書類頑張ってよ。。。

すみません、これは私の筆力不足です。

このプロジェクト、JCM望遠鏡(利用については審査あり)の利用許可が出た時点で、科学研究費の申請はすでに締め切っていました。

しかも、科学研究費の審査は年1回。

それを待っていると、JCM望遠鏡を利用するタイミングを逃してしまいます。

そこで、国立天文台に依頼するも、ダメ。

そこで、クラウドファンディングで、という次第です。

読者からの反響・2~自己負担VS他己負担

旅費を誰が負担すべきか、は大きく分かれました。

まずは自己負担派から。

TARO YAMADA

科研費とったり給与もらったりしてるんでしょ?

だったらそこから出せばいいじゃないですか。出せない額ではないはずです。

何でもかんでも国(税金)に群がろうというのは、理系とはいえちょっとどうかと思います。

好きなことを税金を使ってやらしてもらってるということに対して、もう少し謙虚にありがたさを感じるべきと思います。

SATOKO SATO

世間に役立ってないから金がないんだよ。

金を払わないってのは、ニーズがないんだよ。

momyami291

ハードには金出すけどソフトには出さないのは日本の伝統では?自腹で苦労し、ようやく結果を残したら日本の誇りとかで持ち上げられる。そんなブラック気質こそ伝統。

NOAN SETA

好きな学問やって食べられていれば十分じゃないですか?

Wasino Kohei

私にはこれがニュースとはとても思えません。

親に無い袖を振れと駄々をこねるクソガキのアジにしか思えない。

くだらない・・・

一方、国などが出すべき、とする意見も多数。

Lat

大学共同利用機関の交通費をはじめ予算は少なくなっているよ。/別の組織で空出張が行われたからその煽りを受けている。ただそれならば政治家は献金問題が出たら全員で責任を負ってもらいたい。

nisshi_jp

そんな旅費はみんな何処かから頑張ってとってきて初めて研究だ、と思うくらいに今のご時世に順応している自分に気づいて良くないなあと。自分は怒る元気もないし、あったら研究にまわしたいので、声を上げる人は偉い

naya2chan

STAPの再現実験とやらには金出すくせに。

加藤晃生

80万だったらクラウドファンディングよりヤンキーの虎社長を一人口説いて冠スポンサーになってもらう方が早いと思う。ヤンキーの虎社長のドラ息子がソシャゲに毎月何百万も課金してたりするくらいで、田舎の中小企業のオーナー社長、カネ持ってますよ。

momonga1123

自腹で行けばっていう意見をいう人たちは学者を根本から勘違いしてないか? 彼らは研究が仕事なんだぞ? なぜハワイに仕事をしに行くのに自腹を切る必要があるのか

私は好きなことかどうかに関係なく、研究者なら旅費くらい出せないものか、と思います。

それが未来への投資につながるわけですし。

読者からの反響・3~大学のエアコンどうよ問題

学術研究の支出の少なさを示すエピソードとしてご紹介した、エアコンについても反響がありました。

Kuni Yama

エアコン甘いですね。

もっと汗だくで仕事してる人たくさんいますよ。

Yousuke Karumi

将来のために大学生を育てているのに、授業に集中させないで意味あるんですかね。

「もっと汗だくで仕事してる」とか、そんなこと言ったらエアコンどころか学校もない国だってありますし、ネットが普及していない国もありますが、そちらに合わせたいのですか?

lastline

エアコンに関しては、昔から7月からしか使えない大学多かった気がする。

t_massann

大学は東北北海道に移転すべし

tpro

『出そうよ、エアコンの光熱費』再エネ賦課金は将来世代のために賦課されている。これは若者のためなので、若者は光熱費を出してもらえないことには我慢すべき。投票できるようになるらしいからイヤなら頑張れ。

古屋准教授はインタビューで、

熱中症になる学生が1%くらい

と回答しています。

1%か、大したことないな、と深く考えませんでしたが、これ、結構大きくありません?

受講不能で担ぎ込まれた学生が1%なのであって、倒れるところまでいかなくても、不快な思いをする学生はもっと多いはず。

教育環境としては、それでいいのでしょうか?

国立大はどこも、光熱費を減らしています。

省エネ・エコということもありますが、一番は経費節減。

大体のところは夏でも28度設定(PCサーバー室などは別で24度)。

ただ、稼働開始時期を明記した資料はまだ見つけていません。

福島大の「地球環境配慮のための実施計画」には、実施目的として、こんな話も。

2004年に国立大学法人となり、運営交付金が毎年1%ずつ減額される状況にあります。

このような状況を十二分に理解し、全学教職員・学生と連携しながら大学全体で地球環境配慮のための取組を実施します。

この教育環境の是非は気になるので、今後も追いかけていく予定です。

まだ書き足りない気もしますが、大学ディープ紀行・第一弾は、ひとまずこれにて終わりです。

星形成史のクラウドファンディングは目標を達成しましたが、6月5日まで募集中です。

宇宙における星形成史を辿ってみたい!

新企画「大学ディープ紀行」は、このYahoo!個人(石渡嶺司)の中で、大学に関連したルポやインタビューなどを今後、展開していく予定です。

なお、掲載頻度は、「シェフの気まぐれサラダ」に入る具材、ディスカウントストアの値付け並みにいい加減、もとい、不定期です。

第二弾は取材済み、絶賛編集作業中です。

大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計31冊・65万部。 2023年1月に『ゼロから始める 就活まるごとガイド2025年版』(講談社)を刊行予定。

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