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定額制音楽配信のLINE MUSIC始動。音楽を「シェア」するLINE流の新体験

ジェイ・コウガミデジタル音楽ジャーナリスト
LINE MUSIC始動

LINEが手掛ける定額制音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」が今日からサービスを開始しました。アプリは既にダウンロードが可能です。

LINE MUSIC 公式サイトhttps://music.line.me

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LINE MUSICのサービス内容は、好きな時間、好きな場所で好きな曲や好きなアーティストが再生できるオンデマンド型音楽サービスです。音楽を無制限に聴けるだけでなく、LINEアプリ内で友達と音楽を送り合ったりできる、音楽ストリーミングの手軽さと、多くの人にとってもはや替えのきかなくなったLINEとの、「音楽xコミュニケーション」をテーマに、音楽の聴き方や楽しみ方を変える可能性を秘めたサービスです。

邦楽、洋楽、K-POP、アニメ、ボカロと幅広いジャンルの150万曲以上楽曲、多数のプレイリスト、特集、ランキングがLINE MUSICでは用意されています。

サービス開始時には日本のレコード会社、プロダクション28社が楽曲を提供。西野カナ、長渕剛、浜崎あゆみ、UVERworld、BIGBANG、サム・スミス、テイラー・スウィフト、マイケル・ジャクソンなどの人気アーティストが配信されます。年内にはメジャーからインディーズまで随時追加し楽曲数を500万曲以上に拡大、2016年には世界各国の楽曲を加えて3000万曲以上にカタログを増やしていく予定。

料金プラン

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LINE MUSICの料金プランは2通り。全ての楽曲が聴き放題、全機能が使える「プレミアムプラン」が月額1000円。全機能が使えて20時間の楽曲聴き放題ができる「ベーシックプラン」が月額500円で提供されます。

また、各プランには学割を用意して学生ユーザーが使いやすいように設定、月額300円からの格安プランを提供します。

さらにサービス開始に併せて、6月11日から8月9日までの2ヶ月間、全ユーザーは無料で全楽曲が聴き放題、全機能を体験することができます。

サービスの特徴

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LINE MUSIC最大の特徴は、LINEアプリと連携することがあげられます。LINE内の友達やグループに楽曲やプレイリストを送り合うことも、LINEアプリのタイムライン上で直接再生することもできる点が、どの音楽サービスとも違ってきます。「音楽をLINEしよう」とティザー動画でも言っていましたが、これは一つILNE MUSICを説明する上でのキーワードとなります。

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「シェア機能」がデフォルトで設定されているので、音楽を聴きながらシェアすることも、チャットしながら音楽をシェアすることも、両方実現可能です。LINEアプリで送った楽曲は、LINE MUSICアプリを立ち上げる必要なく、トーク画面上でフル尺が再生できるのも便利な設定ですね(ベーシック・プレミアムプランに加入していないLINEユーザーの場合、再生は30秒)。

またLINE MUSICでは、楽曲を配信するアーティストのLINE公式アカウントを今後開設する予定。公式アカウントからの楽曲配信やプレイリスト公開を知らせることができるといったLINEプラットフォーム独自の連携で、アーティストからファンへ音楽を届けやすくします。

【第1弾の楽曲提供・提供予定一覧レーベル・プロダクション一覧(50音順)】

<レーベル(23社)>

株式会社インパートメント

エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社

株式会社KADOKAWA(※)

キングレコード株式会社(※)

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社

株式会社スペースシャワーネットワーク

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

株式会社トイズファクトリー(※)

チューンコアジャパン株式会社

株式会社テイチクエンタテインメント

株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ

株式会社ドリーミュージック

日本クラウン株式会社

日本コロムビア株式会社

株式会社バップ

株式会社ファイルレコード

株式会社フォーライフミュージックエンタテイメント

株式会社ポニーキャニオン

株式会社ミュージックマイン

株式会社ユーケープロジェクト

ユニバーサル ミュージック合同会社

株式会社ランブリング・レコーズ

株式会社ワーナーミュージック・ジャパン(※)

<プロダクション(5社)>

株式会社AKS(※)

株式会社テレビ朝日ミュージック(※)

有限会社デンジャー・クルー・エンタテインメント

株式会社Buzzic

有限会社ラバーソウル

これまで音楽サービスといえば、iTunesなど音楽をダウンロードして聴く、所謂「所有型」モデルが主流でした。しかし現在ではSpotifyなど音楽ストリーミングサービスの出現によって、いつでもどこでも音楽が聴ける「アクセス型」モデルに移り変わっています。

LINE MUSICの登場はこの「アクセス型」音楽サービスの形をよりパーソナルでモバイルにできる可能性があります。その理由は、LINE MUSICで好きな人や友人と音楽で会話をしたり、見つけた音楽をグループでシェアできるようになることは、FacebookやTwitterでシェアすることとはまた違う体験になると感じるからです。音楽に触れることが好きな人にとっては、音楽好き同士とつながりやすくなり、さらにYouTubeのリンクをさがす手間も無くなるので、音楽でチャットしたり新しい音楽を探す楽しみ方が拡がるかもしれません。

LINE MUSICの今後は、アプリで音楽を聴くことがチャットするように日常化できるかどうかが、定額制音楽ストリーミングサービスを普及させる上で重要な点になるでしょう。

Spotifyはキュレーションや動画、ランニングなど音楽を中心とした一日のエンターテイメント・プラットフォームになろうとしています。今週発表されたApple Musicには手軽に音楽を流し続けられるラジオ「Beats1 Radio」が用意されています。LINE MUSICを含めて手軽で日常的に音楽を楽しむ選択肢を準備しています。この選択肢の多さが、定額制音楽サービスの魅力の一つで、未だに日本で欠けている要素だと思います。LINE MUSICの登場で、日本の音楽産業が今後どんな方向に向かうのか、楽しみになってきました。

アプリのダウンロードはこちら

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公式サイト:https://music.line.me/

公式ブログ:http://music-mag.line.me/ja/

公式twitter:https://twitter.com/LINEMUSIC_JP

公式facebookページ:https://www.facebook.com/linemusic.jp

ソース

LINE MUSIC

この記事はデジタル音楽ブログ「All Digital Music」2015年6月11日の記事の転載です。

デジタル音楽ジャーナリスト

専門は「世界の音楽ビジネス、音楽業界xテクノロジー」の執筆・取材・リサーチ。音楽ビジネスメディア「All Digital Music」、音楽業界専門のマーケティング支援会社「Music Ally Japan」や、音楽ストリーミング・データ分析プラットフォーム「Chartmetric」日本事業展開も担当。グローバル音楽業界、レコード会社、ストリーミングサービスのビジネスモデル、トレンド分析、企業分析に関する記事執筆多数。

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