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SpotifyのSoundCloud買収交渉話が表面化

ジェイ・コウガミデジタル音楽ジャーナリスト
Spotify mobile app

定額制の音楽ストリーミングサービスでは世界最大の「Spotify」が、ベルリンの音楽共有サービス「SoundCloud」の買収に向けて交渉を進めていると、フィナンシャル・タイムズがレポートしています。

SoundCloudはサービスの収益化を図るため、これまでの無料のみのサービス形態に加えて、広告に邪魔されずに全カタログ1億2500万トラックを楽しめる、月額9.99ドルの有料サービス「SoundCloud Go」を今年発表したばかりで、大きな戦略転換期を迎えています。

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先日、有料会員が4000万人を突破したと発表したばかりのSpotifyは、SoundCloudを統合できれば、同サービスを世界中で支持するコアな音楽コミュニティを手に入れるとてつもないメリットが生まれ、Apple MusicやTIDAL、Deezerなどライバルの音楽ストリーミングサービスに大きな差をつけられると予想されます。2016年に入ったから、Spotifyはアクティブユーザー数は1億人突破を発表しており、今後は海外展開も含めて、さらなるサービスの成長が期待されています。

Spotifyはこれまで投資家から15.6億ドルの資金を調達してきました。SoundCloudはこれまで1億9300万ドルの出資を受けています。SoundCloudに出資する企業には、KPCBやIndex Ventures、Union Square Ventureなど著名なVCの他、昨今の買収騒ぎで話題のTwitterが名を連ねます。

ソース

Spotify in advanced talks to buy SoundCloud (FT)

Spotify in ‘advanced talks’ to buy SoundCloud (Business Insider)

この記事はデジタル音楽ブログ「All Digital Music」で2016年9月29日に掲載された記事の転載です。

デジタル音楽ジャーナリスト

専門は「世界の音楽ビジネス、音楽業界xテクノロジー」の執筆・取材・リサーチ。音楽ビジネスメディア「All Digital Music」、音楽業界専門のマーケティング支援会社「Music Ally Japan」や、音楽ストリーミング・データ分析プラットフォーム「Chartmetric」日本事業展開も担当。グローバル音楽業界、レコード会社、ストリーミングサービスのビジネスモデル、トレンド分析、企業分析に関する記事執筆多数。

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