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「ベガスゴールデンナイツ」NHLに来季から加盟する新チームが(紆余曲折の末)名前とロゴマークを発表!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
世界屈指のギャンブルシティは来季からNHLの舞台に!(Tim Draper/SIME)

来季(2017-18シーズン)からNHLに新規加盟するラスベガスが、昨日(現地時間)ホームゲームを開催するT-モバイルアリーナに隣接する東芝プラザで、チーム名とロゴマーク を発表しました。

多くのメディアやファンが注目する中、発表されたチーム名は、

「ベガス ゴールデンナイツ」

でした!

▼最有力候補は「ブラックナイツ」

チーム名が決まるまでには、文字どおり紆余曲折がありました。

新チームの設立に尽力したオーナーの ビル(ウィリアム)・フォリーは、アメリカの陸軍士官学校のOBで、同校のスポーツチームにつけられているブラックナイツという名前には、親しみがあると公言。

自らがチェアマンを務める組織の中には、ブラックナイツ フィナンシャルサービスと名づけられた企業もあるだけに、「ブラックナイツ」が最有力だと見られていました。

▼積極的な準備が認められNHLに新規加盟

陸軍士官学校卒業後、ビジネスマンに転じて成功を収めたフォリーは、「私は生涯を通じて大のアイスホッケーファン」だと公言し続けるほどの人物で、NHLチームの創設はまさしく究極の夢。

それだけに「新たなチームを設立してNHLへの新規加盟」との目標に掲げると、加盟の申請に先んじて、ホームアリーナのシーズンシートの半数以上の予約を受注するなど、積極的に準備を進めていきました。

フォリーの努力が結実し、同じくNHLのチーム招致へ向けた機運が高まりながら、加盟申請に至らなかったシアトル(アメリカ・ワシントン州)や、ケベックシティ(カナダ・ケベック州)とは対照的に、6月のNHL理事会で新規加盟が認められたのです。

その後もフォリーは、チームづくりを担うGMをはじめ、オペレーションスタッフを次々と雇うなど、引き続き積極的な準備を進め、来季の開幕を見据えています。

▼チーム名が決まるまでには紆余曲折が・・・

ところが、フォリーの前に大きな問題が現れました。それは「チームの名前」についての問題です。

前述のとおり、自らが卒業した陸軍士官学校のスポーツチームにつけられているブラックナイツの名前で、NHLに加盟する青写真を、フォリーは描いていました。

ところが、元NHLプレーヤーで、引退後にはヘッドコーチ(HC)も歴任した デイル・ハンターが、オーナー兼社長兼HCを務めている「ロンドン ナイツ」(カナダ・オンタリオ州のジュニアリーグのチーム)が、カナダ国内での「ナイツ(Knights=騎士)」の使用権を保有済み。

そのために、カナダのチームと対戦するロードゲームでは、「ブラックナイツ」の名前では戦えないのです。

このような事実が判明した直後、現地メディアの取材に対し、「チーム名の使用権を買い取るのは、経済的な観点から見て適切ではない」と、フォリーがコメント。

チーム名を買い取るようなことはせずに「ナイツ」の名前を断念し、替わって「ナイトホークス」などにするのでは? との代替案が報じられました。

▼「ゴールデンナイツ」に決定!

当初はT-モバイルアリーナで、NHLのプレシーズンゲームが行われる「10月初旬までに発表」との青写真を描きながら、上記のような経緯から1か月半も遅れてしまいましたが、NHLへの加盟が認められた日から丁度5ヶ月。ロンドンナイツとの権利面をクリアし、チーム名が「ゴールデンナイツ」に決定。

来年6月に行われるエクスパンションドラフトで、既存の30チームがプロテクトしなかった選手から、新チームの戦力を集め、

「NHLでは17季ぶりの新規加盟チーム」

さらに加えて、

「北米4大スポーツで初めてラスベガスをフランチャイズにするチーム」

が船出します!

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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