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45歳の誕生日を前に「アイスホッケー界のレジェンド!」ヤロミール・ヤーガがNHL史上二人目の快挙達成

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
18歳でNHLデビューを飾り、数多くの賞に輝いたヤロミール・ヤーガ(写真:ロイター/アフロ)

1990年のNHLドラフトで、ピッツバーグ ペンギンズから1巡目(全体5位)指名を受け、18歳でNHLデビューを飾ったヤロミール ・ヤーガが、45歳の誕生日(現地時間15日)を迎えます。

▼プロ生活27季目!

1998年の長野オリンピックで金メダルを獲得。さらには、世界選手権でも優勝し、チェコのアイスホッケー界を支え続けて来たヤーガですが、自らが生まれ育った故郷のチームのオーナー職も担い多忙なため、既にチェコ代表でのプレーからは引退を発表。

しかしNHLでは、今季もフロリダパンサーズの中心FWとして、開幕からフル出場!

18歳でデビュー飾って以来、ヨーロッパのチームに在籍していた4季も含め、「プロ生活27季目」を迎えましたが、チームで3番目に多いポイントを記録しているように、まったく衰えは感じられません。

▼44歳最後の試合でゴールを決めた

そんなヤーガが、44歳最後の試合となったナッシュビル プレデターズ戦で、ゴールを決めました。(白#68)

ヤーガは、この得点によって、

「NHL(在籍時)23季連続の二桁ゴール」

を達成したのとともに、

「NHL通算1900ポイント」

まで、あと1ポイントに迫りました。

▼NHL二人目の「オヤジ得点記録」を達成

さらに、上の動画でご覧いただいたゴールは、ヤーガの偉業を称える金字塔になったのを、ご存知でしたか?

それは、、、

「40歳を超えてから100点目」

のゴールとなったのです!

創設100年目を迎えた NHLの長い歴史の中でも、“オーバー40” となってから100得点した選手は、「ミスターホッケー」と呼ばれ、殿堂入りを果たしているゴーディ・ハウの一人だけ。

69歳になって(1試合だけですが)現役復帰を果たしたハウは、一つの試合で、「ゴール、アシスト、ファイティング(乱闘のペナルティ)」を記録した選手が、「ゴーディ・ハウ ハットトリック」と呼ばれているように、ホッケー界に大きなインパクトを与え続けました。

昨年6月に亡くなった際には、アメリカ大統領とカナダ首相が弔意を述べたほどの、文字どおり「アイスホッケー界のレジェンド」

【参照記事=筆者オフィシャルサイト】

"Mr. HOCKEY" Has Passed Away

▼レジェンドを上回る、新たなレジェンド誕生!

今季終了後に、ヤーガは契約満了となりますが、今季の年俸は「400万USドル」(およそ4億5700万円=現在のレート)と、現役選手の中でトップ200にも入らない額だけに、フロリダに限らず、他のチームからのオファーが来るのは、ほぼ確実。

ヤーガ自身も、現地メディアの前で、これまで掲げていた目標を、5年先延ばしして55歳まで現役でプレーしたいと公言!

ミスターホッケーをしのいで、「新たなアイスホッケー界のレジェンド」と呼ばれる日が、いずれやってくるのは、間違いなさそう。

それだけに、このような “ヤーガ・フリーク" たちも、さらに増えていきそうです。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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