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もしも猪瀬都知事が石原元都知事だったら

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
数々の暴言がありながらも辞職はなかった石原元都知事
数々の暴言がありながらも辞職はなかった石原元都知事

猪瀬都知事の給料1年間返上拒否

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20131213-00000016-ann-soci

猪瀬都知事への都議会の追求が増している。

猪瀬都知事の答弁では、個人的な借金、徳洲会に便宜をはかっていない、まっすぐ自宅に戻った、などがあったが、まっすぐ自宅ではなく事務所に立ち寄っているなどの虚偽があった。

さらに、「1年間の給料返上」という落とし前作戦がさらに、辞任要求という方向へと舵を切らせた。

もしも、これがオリンピック決定前だったら、日本での五輪開催は飛んでいたことだろう。これだけは不幸中の幸いだ。

しかし、都議会も、この問題だけで、占拠されていることのほうが問題ともいえる。

本当の都制は完全にストップしてしまっているからだ。

これは、どう考えても、猪瀬都知事の手落ちである。

もしも、これが、猪瀬都知事でなく、石原元都知事だったらどうかと、勝手にシミュレーションしてみた。

それでは、石原元都知事の会見をおこないます。

石原元都知事どうぞ!

「なんだよ、君たち、5,000万円くらいのハシタ金で、ごちゃごちゃといつまでも、騒ぐんじゃないよ!…まったく。

都知事選なんてもんはだなぁ、もっともっとカネかかるんだよ。だいたい、そもそも君たちが、勉強不足なんだよ。落ちたら落ちたで、生活が大変なんだから、事前に手を打っておくのは当たり前だろが。選挙資金も生活費も財布はひとつなんだよ。こっちは。

えっ?自宅に帰らなかったって?だから、そんなハシタ金のことで、いちいちその日のことを記憶しているワケないだろ。本当に!なんで、都民のみなさんに選ばれたオレの給与が一年も返上しなきゃならないんだ?さらに辞任?お前らが勝手に辞任しとけよ。おかしいよ、まったく…ハナシにならんわ!」

…と石原元都知事なら、この場を叱って立ち去ると思う。

過去にこれだけの語録が残っている。

http://matome.naver.jp/odai/2129161684892120001

過去に何人もの大臣が、不適切な発言問題で更迭されたことか…。石原元都知事はこれだけの暴言を堂々とはきながらも、更迭されることはなかった。選挙も常に圧勝だった。

首相の組閣によって決まる大臣と、民意によって選ばれたかの違いかもしれない。批判も多々あるけれども、歯に衣着せぬ暴言は、人が言いたくても言えないことを代弁していたのかもしれない。

そんなぶっ飛びぶりが、石原元都知事にはあった。

反対に、猪瀬都知事は、答弁がどうも自分の言葉でない印象を感じる。まったく、個性が見えてこないのである。作家時代の鋭い分析もなければ、批判力もない。だから、何を答弁しても、力がない。迫力がない。

今、都政をになう都知事に求められる力は、どんな状況においても、それを突破できる力ではないだろうか?

都議会がどんなに騒ごうが、「うるさい!」で乗り切るくらいの石原並の気迫を見せてほしい。

辞任に追い込んでも、急遽の都知事選で選ばれた候補者がクリーニング不足で、また、不祥事を起こしての繰り返しとなると、一番困るのが都民であり、日本である。

ご自身が書かれた著書、「突破する力」「解決する力」「決断する力」を読み返されるべきだと思う。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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