「一生ビール飲み放題10万円!」という新たなファンディング手法が登場!
KNNポール神田です。
この記事を見て思わず!すんばらしい!と思わず、ググってしまった。
米国ミネアポリス州のブルワリーレストラン、「Northbound Smokehouse & Brewpub」の見事な販売促進兼ファンディング手法だ。Would You Pay $1,000 Once to Get Free Beer for Life?
10万円を支払って一生ビールが飲める権利を獲得した客は、店側にとって、客は「チアリーダー」になるという論理だ。これは、非常に明解!さらに、単なる店と客という関係を越えて、将来的に継続するロイヤルカスタマーから、ステイクホルダーへと関係が昇華しているからだ。
実際に「ワイン定期券」のアイデアなどもあるくらいだから、日本にもその土壌は十分に成立すると思う。
ワイン定期券の仕組みは、30日間の期間限定で、1日グラスワイン3杯まで無料で飲めるワイン定期券を2,980円で販売する。その間、グラスワイン3杯までが無料となる。何度来店しても利用可能で、毎日9種類 白4種類 赤4種類 スパークリング1種類が飲めるという。閑散期となる2月8月などはもちろんのこと、時間を夜19時までとか限定「ハッピーアワー」に適応することにより、開店時の顧客の抱え込みも可能だろう。
飲食の場合、一度、最適な場所と顧客が認識した場合の回流率や利用頻度はあがる。一番コストがかかるのが、その店舗の存在を「認知」させることだ。そこが、「一生飲み放題!」という過激なまでのコピーセンスが、勝手にひとり歩きし、結果として、マスメディアにも取り上げられることとなる。今や、飲食店でマスメディアに取り上げてもらうのは情報番組への有料パブリシティや、かなりエキセントリックな企画を提供しない限り、相手にされない。
「一生、飲み放題」や「一生、食べ放題」なるキーワードは、興味のない見込み顧客を、「生涯顧客価値(LTV / lifetime value )」へと変えることができる。
これは、他のビジネスにも十分に応用できそうだ。単なる「消費」だけで終わることなく、「投資&消費&販売促進スキーム」が一度に成立するからだ。
特に、生涯にわたって、顧客とおつきあいの可能性のある「生命保険」や「住宅産業」などは、このアイデアを活かすことがきるのではないだろうか?
例えば、「生命保険」であれば、一番のリスクは解約だ。現金にどうしようもなく困った時、さらに格安な保険の乗り換えなどがある。しかし、生涯にわたって、写真データの保存できるクラウドサービスや親類縁者との連絡のとれるSNSとかを「一生、無料」とすることで、他社への「MNP化」は防ぐことができる。生命保険にはいっただけで、「Evernote100GB生涯無料!」みたいなことも十分にできるだろう。データはすぐに1TBあっても足りなくなるし(笑)
「住宅産業」となると、家族構成から、人生設計にまで大きく関わる。子供たちが巣立った後は、賃貸にすることによって、子供たちが他で借りる賃貸や、自分たちの老後に至るまで、住んでいた家を売ることなく、賃貸に回すことによって「一生、家賃無料」というようなプランづくりも可能ではないだろうか?
何よりも「一生、○○が無料!」というインパクトのあるコピーは、それだけでも、マスメディアがニュースとして取り上げ、広告宣伝費を節約してくれることだけは確かだ。
うーん、日本でも、「一生、ビールが無料で飲める店」欲しいなぁ…。
Northbound Smokehouse & Brewpub
2724 East 38th Street, Minneapolis, MN 55406
612-208-1450