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テレビが暖炉に変身!グーグル・クロームキャスト

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
Google Cromecastが日本でも発売された!2014/05/28
Google Cromecastが日本でも発売された!2014/05/28

KNNポール神田です。

発売初日(2014/05/28)の朝10:00に、「グーグル・クロームキャスト」を買いに走った!

設定に手間取ってしまったが、なんとか映るようになった。アプリ名が「Google Cast」「Chromecast」だったり、PCとスマホを同時に設定するのではなく、スマホから設定するべきだった。さて、無事に「クロームキャスト」の設定が終わってめでたし!となるが、ここからが、AppleTVとの使い分けを考えみた。大きな違いは2つだ。

【1】「リモコン」で操作し、アップルが選んだチャンネルのみのApple TV

【2】「スマホ」で操作し、APIでアプリが無数に登場する Chromecast

【1】Apple TVは、操作を基本的にリモコンでおこなうので、入力とかは大変だ。検索するにしても一苦労だ。むしろ、ラインナップされたコンテンツをリモコン選択だけで楽しむものだ。もしくは、強力なOS標準機能の「AirPlay」で、強引にAppleTV経由でテレビにiPhoneやiPad、Macのモニタを映し出してしまうことができる。

Apple TVはiTunes Store同様に、Appleの厳格な審査基準を満たしているものしか市場に公開されていない。いわば、コントロールされた管理下コンテンツもしくは、自分のローカルのものを見るためのものだ。

【2】一方、Google Chromecast の場合は、Google Playに並ぶ、クロームキャストに対応して、「for Chromecast」というアプリを使って、いろんなものを映し出すことができる可能性を秘めている。

AppleTVとちがって、当初は対応している「YouTube」や「RedBull TV」などとApple TVと重なるが、スマホなどがコントローラーとして使える点が大きな違いだ。

そして、クロームキャストを使い出して初めてわかったのが、これは大化けする可能性を秘めていることに新たに気づいた。

【3】APIを使ったアプリがズラズラと登場する。

Cast Store for Chromecast
Cast Store for Chromecast

「Google Play」から「Cast Store for Chromecast」をダウンロードし、インストールしてみてほしい。

https://play.google.com/store/apps/details?id=goko.gcs

Androidアプリからクロームキャストに対応したアプリがズラリとラインナップされている。いくつか試してみて、テレビアプリに向いているものをトライしてみた。まず、なんといっても、今まで視聴する目的だったテレビが、アプリで変化し、未知の体験ができるということだ。当初は、テレビゲームのようなものや、スマホの内部を投影するのが、大半だが、そのうち、テレビモニタを大変身させるものも登場することだろう。

テレビが暖炉になってしまったクロームキャスト

薄型テレビに暖炉映像と音が流れると暖炉に見えてくるから不思議だ
薄型テレビに暖炉映像と音が流れると暖炉に見えてくるから不思議だ

Chromecast Fireplace&Candlesは、ろうそくの火や暖炉のアプリだが、液晶テレビに映しだすと、パチパチと暖炉のように見えてくる。

YouTubeの暖炉の動画を流すことも可能なのだが、YouTubeは終わってしまうが、アプリであればエンドレスで燃え続けてくれるところが面白い。しかし、日本のこの時期に暖炉映像は暑苦しくて仕方がないほどだ。

104円で販売されているFireplace&Candle
104円で販売されているFireplace&Candle

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.dunitiapps.cast.fireplace

クロームキャストが日本でも発売されたことによって、クリエイターたちが、テレビモニタをデザインすることが可能となった。アプリで自由に作れるということであれば、郵便番号を打ち込めば、地域のチラシをテレビをつかってバラまくこともできるはずだ。また、さらに、テレビはテレビ局だけのものではなくなってきた。

今回のクロームキャストは、テレビ業界にとってのハードディスクレコーダー以来の黒船かもしれない。

現在、「テレビ放送」はファーストスクリーン、スマホはセカンドスクリーンと業界では、考えられている。しかし、実はこれは逆であり、ファーストはスマホで、すでにセカンドが「テレビ放送」なのである。

出典:2014/05/28/水Google Chromecast発売!4,200円「テレビ」の概念変わる!

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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