盲導犬 「絶対に許せない!」に要注意!

KNNポール神田です。

埼玉県で2014年07月、全盲の男性が連れていた盲導犬が電車内か駅周辺で何者かに刺されけがをしていたことが2014年08月27日、県警などへの取材で分かった。訓練された盲導犬のため刺されても鳴き声を我慢したとみられ、犯行場所は未特定。インターネット上で「許せない」との声が相次ぎ、県警は器物損壊容疑で捜査している。

出典:ほえずに我慢…盲導犬、刺されけが ネット反響「許せない」

吠えないように訓練されている盲導犬を、全盲の方のいるそばで熾烈な犯行に及んだ犯人に対して、このニュースを聞いた時になんともいえない嫌悪が走った。そして、ネット上でも、盲導犬を傷つけた犯人に対して「絶対に許せない!」という感情が走っていた。

拡散希望!絶対に許せない!に要注意!
拡散希望!絶対に許せない!に要注意!

フェイスブックにも同様に、

「拡散希望!絶対に許せない!とつぜん刺された盲導犬。それでも彼は吠えなかった」

というシェアのエントリが流れてきた。数千人のいいね!と数千回のシェアがされている。まさに人気エントリとなっている。当然、ボクも「いいね!」を押して「シェア」をしようとしたその瞬間だった…。

拡散する前に要注意!

友達リスト、メールアドレス、誕生日の情報が漏洩する危険なアラート
友達リスト、メールアドレス、誕生日の情報が漏洩する危険なアラート

フェイスブックのアラートを確認しよう!

一気に、盲導犬の事件のことよりも、このアラートが出るという企みのほうが許せない!と思ってしまった。

初めて訪れるサイトに対して、フェイスブックからの情報提供承認のアラートが登場しているからだ。フェイスブックに慣れている人ならば、ピン!と気づくはずだが、この情報サイトの運営者に、フェイスブックに登録しているあなたの、【公開プロフィール】【友達リスト】【メールアドレス】【誕生日】【いいね!】などの情報がすべて伝えられてしまうのだ。たった、1回あなたが「OK」を押してしまうだけで…。

フェイスブックに慣れていない人にとっては、このアラートの意味はいまひとつピン!とこず、思わずOK!を押してしまう。

「私も絶対に許せない!」などと、思わずエールのコメントを書き込んでしまっている。そして、自分の友達にも知ってもらおうと思い、シェアしてしまう。そんな人たちが、数千人もいる。

このページをfacebookで運用している人が、もしも万が一、悪意をもっていたとすると、あなたは、フェイスブックの友達に対して、とんでもない情報を提供したことになっているのだ。

このアラートに「OK」してしまうと個人情報が漏洩するフェイスブックのしくみ

悪意ある名簿業者が運用していたとすると、まず、あなたの公開プロフィールなどから、どこに住んでいて、何をやっている人とか、個人の属性を知ることができる。しかも、フェイスブックは実名制なので本名とメールアドレスも知らされている。そして、友達リストごと、ごっそりと入手できるので、あなたのフェイスブックの友達関係さえも掌握してしまうのだ。さらにあなたの誕生日まで知っている…。

万一、あなたがパスワードを誕生日などで設定していたとすると、やすやすとあなたのアカウントは乗っ取られるという最悪の可能性がでてくる。さらにメールアドレスと個人属性がわかり、アクセスしているので「生きているメールアドレス」として、SPAMメール業者等に高価で買い取り、回され、販売される。すると、その名簿は、エロサイト情報から、架空請求詐欺メールに至るまで、あなたにふりかかってくる結果が待っている…。いやその可能性が十分にあるのだ。だから、フェイスブックのアラートが出た場合は「OK」してはならない!むしろ、じっくりと読んでみよう。

そして、このようなサイトを平気でシェアしてくる友達がいた場合も、その友達にその事を伝えた上で「ブロック」するか友達を「友達から削除」したほうが良いくらいだ。あなたのリストまでもその友達のリストから運営者に伝えられている可能性があるからだ。

だから…盲導犬の記事に「絶対に許せない!」に100%同意したとしても、このような「◯◯◯は、次の情報を受取ります:」というようなサイトへは絶対に「OK」を100%押してはいけない!

映像が見たかったとしても、アラートに注意しよう!映像なんてでてこない!

他にも「映像を見る」をクリックさせ個人情報を収集する行為がある
他にも「映像を見る」をクリックさせ個人情報を収集する行為がある

個人情報を安易にひきだせる実名フェイスブックの仕様こそが問題だ!

今どきのキュレーションメディアや、バズメディアだったとしても、ここまでの個人情報をフェイスブックから提供させるのは、もはややり過ぎといえるだろう。いや、そこまでの情報をフェイスブック側がすんなり提供してしまうという仕組みそのものを疑問視すべきであろう。もしもメディアでそれをおこなっていたら、個人情報の取得しすぎであると自重すべきだろう。

いくらユーザーがメッセージを読み、「OK」を押して、認識しているといっても、「絶対に許せない!」気持ちになっているユーザーが、そんなメッセージを丁寧に読むはずもなく、早くシェアしたくなり、ついつい「OK」を押してしまっている。

これは、企業が、個人情報を漏洩し謝罪をしているのと、ワケが違う。企業の個人情報が漏洩していても、住所と名前のヒモづけが大半で、ダイレクトメールという郵便物に不要な介入や営業の郵便物が届くくらいのものだ。こんなのは、フェイスブックの個人情報が漏洩することから比べると比較にならないほど軽い情報漏洩だ。

「誰がための個人情報保護なのか?」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20140719-00037533/

フェイスブックのこの仕様は、SNSというネットワーク全体のソーシャルグラフがごっそりと提供され、それを悪用するチャンスを与えているのも当然だ。「絶対に許せない!」という正義感で、知人の情報を漏洩させてしまう人に、罪があるとは言えないが、結果としては知人にも迷惑をかけることになってしまう。

フェイスブック社は、この仕様を今一度、慎重に検討すべきであろう。いや、むしろ、メールアドレスまでを公開することは断じてやってはいけない。それが、情報を扱う企業の真摯な姿勢だと思う。

フェイスブック社に、このことを「問題を報告」するから報告してみたが、いつものことながら、なしのつぶてになりそうだ…。

ユーザーはフェイスブック社にコンタクトが取れるしくみになっていない

【報告するには】のページそのものが、報告ページではなく、フェイスブック用語の解説ページとなっている酷い仕様なのだからしかたがない…。フェイスブック社に日本人はいないのか!

https://www.facebook.com/help/181495968648557/

ご意見・ご提案にポストすることしか一般ユーザーにはできない。そして、形式上のご協力としか処理されていないようだ。

「ご協力ありがとうございました」の自動返答のみの提案フォーム
「ご協力ありがとうございました」の自動返答のみの提案フォーム

許せないのは盲導犬のニュースを利用した個人情報収集屋

そして、一番腹立たしいのが、そんなフェイスブックの甘い仕様を、熟知した上で、「盲導犬のオスカーの刺されても、血が出ても泣かなかった」といういじらしいニュースを、巧みに利用し、感情の高まりを煽り、フェイスブックの仕様を理解していない人から個人情報を盗み取るというメディアの姿をした個人情報収集屋の姿だ。「絶対に許さない!」のはこっちのセリフだ!