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フェイスブック、来年からの利用規約に要注意!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

【追記】利用規約の変更の日時が2015年1月30日に変更された

利用規約変更は2015年1月30日に変更
利用規約変更は2015年1月30日に変更

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20141230-00041922/

2015年元旦から変わるfacebookの利用規約
2015年元旦から変わるfacebookの利用規約

フェイスブックが2015年01月01日から、利用規約を変更する。

https://www.facebook.com/about/terms-updates/?notif_t=data_policy_notice

このたびのPrivacy Basics(プライバシーベーシック)の導入により、Facebook上のエクスペリエンスを皆様が管理する方法についてヒントや手順ガイドを入手できるようになります。また、利用規約、データポリシー、Cookieポリシーも、導入する新機能に対応した理解しやすい内容に改定します。 加えて、Facebook外でのアプリやウェブサイトの使用履歴に基づく広告(行動ターゲティング広告)の改良を実施し、利用者が管理できるようにします。

出典:利用規約とポリシーの改定: Facebookのしくみと個人情報管理についてのご説明

IT専門のジャーナリストのボクでさえ、チンプンカンプンな説明で理解に苦しむ(笑)さらに、黄色の文字の文面が強烈すぎるのである。

元旦以降、facebookを使った時点で同意したものとなる告知
元旦以降、facebookを使った時点で同意したものとなる告知

大晦日の夜、除夜の鐘が鳴り出して、facebokを使った時点で、この新たな利用規約にすべての人が、同意したことになるという。これは、もう強制的な同意の奨励であり、むしろfaebookからの命令と言うべきだろう。同意しない人は、サービスを使用するなという文意にとれるからだ。そこまでしてユーザーに、利用規約を守らせたい理由はなんだろう?

なぜ、利用規約を改訂するのか…

それは、今までの利用規約では不具合が生じるからだ。しかも、今回は半ばというか、強制的な利用規約改訂だから何がどう変わったのかが気になる。

1.ユーザーのプライバシーを守るため

プライバシー・ベーシック」の大義名分は、ユーザーのプライバシーを守るためにあるといっても過言ではない。すべてはそこがきっかけの利用規約改訂だ。

フェイスブックは、リアルな実名制で友達の信頼に基づいたネットワークを形成するために、本名は当然、出身地、学歴、職歴、電話番号、住所、既婚未婚とありとあらゆる情報に当たれるように設計されてきた。これは性善説にのっとれば理想のネットワーク環境といえるだろう。しかし、フェスブックが、世界で一番普及しているSNSとなった現在では、それらの情報に対する、アクセスがいともカンタンにできてしまうことが問題となっている。情報をいくらでも取得できる設計として悪用されてしまうからだ。

かつて、「盲導犬「絶対に許せない!」に要注意!」でも警鐘を鳴らしているが、いいね!をボタンを押すだけで、簡単に「友達リスト」や知人の「メールアドレス」が漏洩してしまう設計にあったからだ。今回の改訂の一番の理由は、その個人のプライバシー情報のセキュリティに関する考え方をユーザーに徹底させようとしていることだ。これはとても良いことだと思う。大賛成だである。しかし、一番の問題はそこではない!

この利用規約によって守られるのは、あなたではなくフェイスブック側だ

今回の利用規約一番の問題点は、この利用規約に承認したことによって、プライバシー情報を守るのは、すべてユーザー個人に委ねられてしまうことだ。セキュリティ設定がゆるいユーザーに、万一なんらかの被害や実害があったとしてもフェイスブックはこの利用規約によって、すべての訴訟から守られることになるのだ。プライバシー・ベーシックを用意することによって、すべてユーザーでコントロールできるという免罪符が成立してしまうのだ。

共有範囲の確認投稿の公開に関する利用者へのリマイダー、簡単に使える共有範囲選択ツールとともに、プライバシーベーシックは、皆様が意図したものを意図した相手にだけシェアできるようFacebookが取り組んだ最新の成果です。

このガイドは36種類の言語で公開されます

出典:プライバシーベーシック

解説のほとんどが、36種類の言語ではなく、英語のまま(笑)だが、利用者側で情報の公開の範疇を制限できる。今回の利用規約には、広告での利用や今後の決済機能なども含むが、まずは、フェイスブックを安心して使うためのポイントだけをピックアップして紹介したいと思う。

フェイスブックの利用規約を承認する前に、やっておくべき一番カンタンな3つのこと

Facebookでは、Facebookサービスの提供や改善を支援する外部企業や、広告製品や関連製品を使用する外部企業と協力して事業を行っています。これにより、会社を運営し、世界中の人に無料でサービスを提供することができます。

出典:外部パートナーや顧客との共有

フェイスブックの商売の基本は、単純化すれば、人々の情報行動を金にかえることだ。できるだけ詳細な情報が欲しいが、悪用されても困る。そこで、セキュリティに関しては、ユーザーが自分自身で色々と細かく設定できるようにしてある。最低限ここだけはチェックしておこう!

フェイスブックのプライバシー設定ポイント!
フェイスブックのプライバシー設定ポイント!

フェイスブックの右上の小さな鍵のアイコンをクリックし、プライバシーの設定を確認しよう。

1投稿の範囲を「友達」に初期の設定では限定しておく…。

これで知人以外にあなたのことを知られるリスクは無くなる。

2.アプリ これが一番の問題点だ。

あなたは、いつしか知らず知らずの間にアプリを設定してしまっている。おそらく大半の人は、ここの設定の多さに驚ろくことになるだろう。

知らないアプリ心あたりのないアプリはとりあえず削除か自分のみの設定!
知らないアプリ心あたりのないアプリはとりあえず削除か自分のみの設定!

必ずチェックして必要のないアプリはすぐに「削除」か、もしくは「自分のみ」の設定にしよう。情報漏えいはアプリを経由して自分の友達にまで被害が及ぶ可能性があるからだ。

3.プロフィール情報を減らしておく

そして、フェイスブックを使う上において、少しでも、不安を感じる人は、プロフィールをできるだけ記載しないでおこう。プロフィールを見ないとわからない友達は本当の友達とはいえないかもしれない。

フェイスブックに慣れてきてから、いくらでも変更はできる。

まずは、必要最小限の情報しか、フェイスブックに与えないということが、最大のセキュリティとなる。

自分のフェイスブックの基本データを再度確認し、友達が当然知っていることであれば掲載する価値がどこまであるのかを熟考してみよう。表示される広告にもここは大きく関係してくるはずだ。

https://www.facebook.com/◯◯◯あなたのアカウント名/about

性善説で考えたいインターネットの世界だが、残念ながら、現在は、悪用する人たちのほうが少し利口だ。

また、フェイスブックもリスクを減らすために、利用規約を改訂する。ユーザーは自分で自分を守らざるを得ない。つまり、出来る限り情報の開示をコントロールする術をこの機会にマスターしておいて損はないと思う。

【追記】BLOGOSさんが、さらに、詳しく解説してくれている。

【Facebook】3分でわかる!2015年1月1日のポリシー改定で何が変わるの!?

http://blogos.com/article/100728/

1.プライバシーベーシックの明確化

2.広告に関する詳しい情報をユーザー向けに開示

3.Facebook上の決済機能の強化

4.位置情報を使ったサービスの強化

5.3つの規約の改定

(a)Facebook利用規約

(b)プライバシーポリシー

(c)Cookieポリシー

出典:【Facebook】3分でわかる!2015年1月1日のポリシー改定で何が変わるの!?

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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