ペヤング異物混入今後の対応
KNNポール神田です!
食品メーカーにとって、異物混入は避けても避けきれないリスクのひとつである。しかも、かつてであれば、メーカーのお客様相談室や消費者センターへ苦情が数件集まってから初めて話題となる。事故の確認が明確であった。
twitterの一枚の画像が発端
今回のペヤングの異物混入は、twitterにおける一枚の写真から発生した…。
その後のtwitterでのやりとりは、NAVERまとめ などでまとめられ、だれもが可視化されるようになっている。
http://matome.naver.jp/odai/2141765584395296901
該当当事者からの一方的な情報だが、回りの状況やペヤング側の反応も読み取れる。…気になったのは、ペヤングこと、まるか食品側の「混入は基本的には考えられない」というコメントだった。
遅すぎるウェブサイトでの発表
2014年12月2日(火)のtwitterでの報告から、まるか食品のサイトは閉じられたままかアクセス不能で、何の情報も得られなかった。この対応は今でも非常に悔やまれる。どんな場合にでも、企業がウェブサイトの情報を公開できないことは、ネガティブなイメージしか持たれないからだ。
そして、9日後の2014年12月11日(木)にまるか食品からの報告がアップデートされた。
「混入は基本的には考えられない」から「弊社製造過程での混入の可能性は否定できませんでした」へと変わった。
非常時ほど情報を定期アップデートする危機管理対策
ウェブサイトの運用で必要なのが危機管理対策だ。特にメーカーの場合、リコールやクレーム、食品メーカーの場合には、異物混入から疫病の発生にいたるまでいろんな万一のリスクを抱えている。
2000年(平成12年)の参天製薬は、悪意による脅迫と異物混入だったが、全品回収という判断をたったの一日で社長の署名入りで発表した。3日後には全国約7万店の全薬局・薬店から100%回収の見込みと報告をウェブで報告し続けた。マスメディアもそのウェブの報告をニュースとして届けた。事件は不幸だったが、企業広報が、マスメディアを管理できたいい事例となった。
しかし、まるか食品のウェブサイトは、ずっとアクセスできなかったままだ。
今回は非常にご迷惑をおかけしております
「今回は非常にご迷惑をおかけしております。ウェブサイトは昨日(12/11)の段階まで更新できておりませんでした。ウェブサイトの情報を意図的に削除などしておらず、アクセスができない状態であり申し訳ありませんでした」と、まるか食品の広報担当 滝沢裕(たきざわ・ゆたか)氏は語る。
そして、今後の対応について質問をしたところ、
「現在のところは、想定できていない」とのお答えだったので、かつての参天製薬の対応で、「定期的に、たとえば情報がなくても、しばらくは毎週月曜日とか金曜日とか、定期的に報告を続けることが大事なのではないでしょうか?」と提案申し上げさせていただいた。
すると、すべてのマスコミの質問に対して「進捗状況は、◯曜日の◯時に変化がなくても、定期的に発表させていただきます」と答えられる。マスコミはそれを発表するということでお知らせが、すばやく伝搬できる。
たとえ、その間に続々と出てくる情報に対しても、肯定も否定も確認中であることも表明できる。
ぜひ、参考にしていただきたい。
非常時の容赦無いマスコミの個別対応に追われるのではなく、企業の真摯な態度をいかに知っていただく事がパブリック・リレーションの基本と思う。
食品事故は、毎日起きているといっても過言ではない。これだけの食品リコール事故が起きている。食品メーカーは明日は我が身の思いでいてほしい。
財団法人食品産業センター食品事故情報告知ネット