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つまようじ少年は無罪ではないか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

【追記】2015年2月18日(水)

動画投稿少年、3度目逮捕=菓子につまようじ刺す―偽計業務妨害容疑・警視庁 

警視庁少年事件課は18日、つまようじをスナック菓子の容器に突き刺す動画を撮影し、投稿したとして、偽計業務妨害容疑でこの少年を再逮捕した。3度目の逮捕で、少年は容疑を認めている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150218-00000056-jij-socihttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150218-00000056-jij-soci

やはり、当初の逮捕理由は「建造物侵入の疑い」だったが、スーパーやコンビニでは事件として成立しなかったのか?再逮捕の理由は「偽計業務妨害」ということになったようだ。落としどころがそこしかなかった為なのか?しかし、今後は店員が気づいていなかった事実にも「偽計業務妨害」が適用されるのかどうかが気になる。

逃亡ユーチューバーというよりも、「つまようじ少年」という呼び名が定着した少年の取り調べが始まった。

そして気になるのがいったい今回の事件(?)というよりも騒ぎは何の罪になるのかだ。

9歳の少年が1月18日、建造物侵入の疑いで逮捕された。ただ、一連の動画をめぐっては、つまようじ混入や万引きを装った「自作自演」だった可能性が浮上している。

出典:「つまようじ少年」の撮影動画は「自作自演」だったのか――それでも犯罪になる?

なぜ、少年は「建造物侵入の疑い」で逮捕されたのか?

一番不思議だったのが、「建造物侵入の疑い」ということだ。

第130条 住居不法侵入罪

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

嫌疑が、これでしか警察が逮捕対応できなかったのは、少年が実は自作自演の万引き動画だったからではないだろうか?少年は動画に写っている商品のレシートを持っており、自宅ではつまようじを混入したような穴の空いた容器が見つかっている。つまり、少年は自作自演の可能性が高い。無許可の商業施設でフィクションの映画を作り、動画投稿しただけという見方もできなくはない。

すると、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」がコンビニやスーパーに適応されるのか?ということとなる。例えば、スーパーやコンビニの商業スペースに侵入する、正当な理由とは購買行為にあると思うが、たとえ立ち読みで買えることも買わずに買えることもある。少年の場合はレシートを持って購買しているとなるとこの法律にはあてはめにくくならないだろうか?

また、動画にあった飲酒についても、少年にビールを販売した側の年齢確認の問題があるだろう。そこで少年が年齢を偽った虚偽でしかないだろう。もしかしたら、ビールを飲んだフリだったかもしれない。いずれにしても、飲酒での勾留は難しい。

「威力(いりょく)業務妨害罪」や「偽計(ぎけい)業務妨害罪」 適用は?

ネットによる殺人予告を文字で書き込んだだけでも、今や、たとえ、他人が業務の遂行を妨げられなくても、業務の遂行を妨げるおそれがある状態を生じさせたことで威力業務妨害が成立し、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。

威力業務妨害の妨害手段は「他人の自由な意思決定を制圧するような威勢を示すこと」あるいは「不法に有形力を行使すること」

一方、偽計業務妨害の妨害手段は「偽計」で、他人を騙したり、誘惑したり、他人の勘違いや不注意、知識不足などに乗じる行為です。

http://www.houritu110.co.jp/special/20131218/http://www.houritu110.co.jp/special/20131218/

今回の動画は、「他人の自由な意思決定を制圧するような威勢を示すこと」にならないので、'威力業務妨害っぽくはない。どちらかと言えば、「他人を騙したり、誘惑したり、他人の勘違いや不注意、知識不足などに乗じる行為」の偽計業務妨害が近そうだ。しかし、店員に気づかれていない、購買者もいないということで被害者が存在していないのだ。また、映像ではどこの店舗かも不明である。本人が映像をアップロードしなければ、誰も気づいていない犯罪なのだ。

容疑者として逮捕された彼に何の罪状が言い渡されるのだろうか? 逮捕48時間後に何らかの罪がなければ釈放しなくてはならない。もしくは送検する理由が問われる。

逮捕した後、警察は48時間以内に身柄を検察官に送検(送致)しなければいけません。

また、検察官は24時間以内に勾留請求するか、釈放するか、起訴するかを決めます。

http://vict-keiji.com/120/cat198/

【追記】NHKによると、建造物侵入の疑いで2015-01-19朝に検察庁に送検

万引きをしているように装った動画を撮影する目的で店に立ち入ったとして、三鷹市の19歳の少年を建造物侵入の疑いで逮捕し、19日朝、検察庁に送りました。

それでは、少年の罪は何になるのだろうか?

YouTubeに反社会的な映像をアップしたことだろうか?

動画撮影の為の演出として、営業店舗の場所で購買目的以外の行動が法律に触れるという判断が一番恐ろしい。

今後、屋内・屋外での撮影がますます厳しくなるのかもしれない。そこだけは一番避けてほしいと願う。

今回のつまようじ少年の逮捕は、未成年であることの少年法の問題ではなく、無許可で動画を撮影することに対しての何らかの罪状が言い渡される気がしてならない。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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