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首都圏 大雪に備えを

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
昨年1月14日成人の日 東京の大雪(撮影:高橋和也氏)

東京の雪の見通し(7日17時現在)

2月8日(土)夜の予想天気図
2月8日(土)夜の予想天気図

低気圧が発達しながら、あす(8日)夜に、関東の南海上を通過する予想です。関東地方には非常に冷たい空気があり、そこへ、低気圧に伴って雨雲が広がるため、平地でも雪となる見込みです。

あすの天気図のかたちは過去、何度も大雪となったことがあり、最近では昨年1月14日成人の日(東京・大手町で積雪8センチ)も同じ天気図でした。関東沖を進む低気圧による雪は、降水量が多くなるため、まとまった雪になりやすいのが特徴です。また、あすは日中でも、気温が0度近くで推移するとみられ、東京都心で雪が積もる条件がそろっています。

あす(8日)夕方までに降る雪の量(多いところで)

箱根・多摩・秩父地方 30センチ

関東地方の平野部 20センチ

東京23区 15センチ

あすの夜にかけても、雪は降り続き、雪の量はさらに増える見込み。

東京都心ではひと冬に10回くらい、雪のちらつく日があるものの、積もるのはそのうち1回くらい、ましてや10センチ以上となると10年に一度の割合になります。

それだけに、わずかに積もるだけでも、影響は非常に大きくなります。

東京都心で雪が積もったとき、どんな影響があったのか、鉄道・道路・空の便、それぞれの状況をまとめてみました。

JR・私鉄各線・新幹線

積雪が3センチくらいになると、JR・私鉄各線は15分から30分程度の遅れがでてきます。さらに、5センチを超えると、運転を見合わせる路線が増えてきます。また、東海道新幹線は徐行運転による遅れが考えられます。

8日は土曜日なので、平日のような大混乱は避けられそうですが、運転本数が通常より少なく、特別ダイヤとなる可能性があります。

道路

数センチの積雪でも、スリップ事故や立ち往生する車が多く、主要道路で大渋滞が発生します。首都圏の雪の場合、車での移動は極力、避けた方がいいでしょう。冬用タイヤを準備しても、移動にはかなりの時間がかかると思います。

空の便

雪が降り出すと、飛行機の機体に雪が凍りつかないように、除氷液をかけます。その作業により、遅れが発生しやすく、雪が強くなれば、影響が大きくなります。

すでに、大手航空会社では8日の国内線の運航に影響がでるとして、搭乗予定便の変更(振替)や払い戻しの案内を発表しています。

首都圏の降雪 交通機関の影響まとめ
首都圏の降雪 交通機関の影響まとめ

東京都心 警報級の大雪か

東京23区の大雪警報の基準は20センチ以上なので、あす(8日)は警報級の大雪となるおそれがあります。前回、東京23区に大雪警報が出されたのは今から13年前の2001年1月27日です。

今夜から弱い雪が降り始め、あすの昼過ぎにかけては強く降る可能性があり、数時間で真っ白な雪景色に変わることもありそうです。

午後は次第に、雨に変わることも考えていますが、気温が予想以上に低く推移した場合は夜まで雪が降り続くかもしれません。

なお、東京の雪の見通しは2月7日17時現在の情報をもとにしています。

【参考資料】

JAL航空豆知識「雪は航空機が離陸するときにどんな影響があるのか?」

ANA「関東・東海・近畿地方の降雪予報に伴う運航への影響について」2014年2月7日13時現在

【おことわり】

東京で雪が降ったときの、交通機関への影響は過去の事例よりまとめました。同じ積雪でも、状況が異なる場合があります。また、5センチ以上の積雪は事例が少ないため、断片的な内容となっています。首都圏で雪が積もった際のイメージとして利用ください。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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