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20日は春の大嵐 帰宅時は風雨激しく 

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
20日(月)夕方以降、東海・関東は大雨と強風に注意

沖縄県で記録的短時間大雨

19日(日)朝、与那国島で1時間に120ミリを超える猛烈な雨が降り、八重山地方に記録的短時間大雨情報が発表されました。

「記録的短時間大雨情報」とは、まれにしか観測しない、猛烈な雨が降ったことを知らせる情報です。この情報が発表された地域では土砂災害や河川の増水、低い土地への浸水など、なんらかの災害が発生していることが多いので、警戒が必要な状況にあると思ってください。

20日(月)は低気圧が発達、全国的に春の大嵐

20日(月)午前6時から7時までの雨予想
20日(月)午前6時から7時までの雨予想
20日(月)正午から午後1時までの雨予想
20日(月)正午から午後1時までの雨予想
20日(月)午後6時から7時までの雨予想
20日(月)午後6時から7時までの雨予想

与那国島の猛烈な雨は今後、全国的に天気が大きく崩れる兆しです。

表紙の天気図は20日(月)午後9時の予想天気図ですが、日本海には発達中の低気圧があり、寒冷前線が西日本を横切っています。

この寒冷前線の右側(東側)が最も雨が強く、最も風が強く吹く範囲で、専門的には「暖域」と呼ばれます。

低気圧に吹き込む暖かい空気は今シーズン最も勢いが強いのが特徴で(850hPaで342k以上、南西50ノット以上)、紀伊半島や愛知県・静岡県ではかなりの大雨になるでしょう。関東地方では東京、千葉、神奈川で雨が強く、ちょうど帰宅の時間帯に荒れ模様の天気となる可能性が高いです。

また、東京湾周辺では南寄りの風が強く、平均で10メートル以上、瞬間的には25メートルを超えるの突風が吹くおそれがあります。JR・私鉄の一部路線では遅れや運休などの影響があるかもしれません。

この時期の嵐は「メイストーム」とも呼ばれ、全国的に天気が荒れることが知られています。メイストームという言葉の発端となった甚大な海難事故(1954年5月9日から10日)、そして、大型連休中には山の遭難事故が相次ぎます。あす(20日)の嵐はプレ・メイストームとなりそう。各気象台が発表する気象情報や警報・注意報に気を配ってください。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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