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台風ゼロ期間 記録的な長さ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
昨年の台風27号を最後に、今年はまだ台風の発生がない

台風はどこへいったのか?昨年の台風27号を最後に、台風ゼロ期間はすでに半年、記録的な長さだ。これまで上陸がない年はあるが、発生のない年はない。過去の例をみると、台風ゼロ期間終了後は台風が集中的に発生する傾向がみられる。

沈黙を続ける台風

台風ゼロ発生期間 長い方順位(デジタル台風より)
台風ゼロ発生期間 長い方順位(デジタル台風より)

6月だというのに、台風が発生しない。例年ならば、台風4号が発生していてもおかしくない時期ですが、発生の兆しは見られません。

昨シーズン、19か月連続で台風が発生した反動なのでしょうか。昨年12月の台風27号を最後に、台風のない状態がもう半年も続いています。

これまでの台風の歴史を振り返ってみると、台風ゼロ期間が最も長かったのは1997年12月から1998年7月までの199日間です。今年はあと16日(6月17日現在)と迫っています。

台風が発生しない年はない

これまで台風が上陸しなかった年は4年(2008年、2000年、1986年、1984年)ありますが、台風が発生しなかった年はありません。

世界中で熱帯低気圧(台風、サイクロン、ハリケーン)は発生するものの、そのなかで最も多いのが台風です。一年間に平均すると約26個、多い年は39個も発生します。

台風の影響が大きい年、小さい年はあっても、台風がまったく発生しない年は考えられません。いずれは台風が発生するでしょう。それがいつになるのか、気象関係者は固唾をのんで見守っています。

このあと、台風は大量発生するのでしょうか?

条件さえそろえば、台風は一年中発生するとはいえ、台風シーズンはある程度決まっています。台風の発生が遅くなればなるほど、短い期間に集中して発生するのでしょうか?

台風ゼロ期間が長かった年 台風の月別発生数グラフ
台風ゼロ期間が長かった年 台風の月別発生数グラフ

今年と同じように台風ゼロ期間が長かった2011年、1998年、1983年、1973年はどのような台風シーズンになったのか、調べてみました。

これらの年の台風の発生数は平均すると約20個で、平年の7割程度にとどまっています。

これは実質的な台風シーズンが短くなるからでしょう。しかし、1973年は7月に7個の台風が発生するなど、年間発生数が少なくても、一時的に集中して発生する例がみられます。

また、台風1号の発生が過去最も遅くなった1998年は台風の発生数が16個と非常に少なくなりましたが、上陸した台風は4個と平年を上回りました。

今は嵐の前の静けさ。。。ありきたりな言い方ですが、そのときに備えたいと思います。

【参考資料】

気象庁:過去の台風資料

デジタル台風:台風無発生期間ランキング(北西太平洋)トップ500

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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