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南岸低気圧が急発達 関東甲信で雪や雨

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
列島に広がる雨雲(氷晶雲を水色で表示,Natural color RGB画像)

南岸低気圧の影響で、8日夜から9日朝にかけて関東甲信地方の広い範囲で雪や雨が降る見通し。東京など首都圏では雪の可能性は低いが、山間部を通る道路は積雪となるおそれがあるため、注意が必要だ。

南岸低気圧が急発達

8日夜から9日朝にかけて、低気圧が発達しながら関東の南を通過し、関東甲信地方の広い範囲で雪や雨が降る見通しです。

低気圧の中心気圧は24時間で20hPa以上下がる予想で、低気圧の急激な発達で、雪・雨や風が広範囲で強まるおそれがあります。

天気に詳しい方ならば、南岸低気圧と聞くと雪をイメージするでしょう。南岸低気圧そのものはありふれた存在で、昨年(2016年)一年間だけでも23回ありました。

ただ、この時期の南岸低気圧は気温の低下により、雨が雪に変わる可能性が高く、東京で降る雪のほとんどが南岸低気圧によるものです。

8日夜から9日朝が雪・雨のピーク

8日夜遅くの雪や雨の見通し(8日午前11時現在)
8日夜遅くの雪や雨の見通し(8日午前11時現在)

こちらは8日夜の雪や雨の予想です。低気圧が関東に接近し、関東甲信地方の広い範囲で雪や雨がピークを迎える見通しです。

雪と雨の境目は気温によって決まり、東京都心を含む首都圏は雨の可能性が高いです。

一方、東京都・奥多摩、埼玉県・秩父、群馬県、栃木県、山梨県、長野県は雪の可能性が高く、山地では20センチ前後の降雪が予想されています。

ちなみに、雪の予想では山地、山間部、山沿い、平地、平野部という言葉をよく使います。でも、その違いをきちんとわかっている人はどのくらいいるのだろうかと常々、疑問に思っています。

気象庁の予報用語では「山地」は山の多い所、「山沿い」は山に沿った地域、「山間部」は山と山の間の地域と定義されています。

うーん、そう言われても、理解には程遠く。山地と平地をつなぐ地域を的確に伝える難しさを感じます。

主な地域の時系列天気予報

8日午後から9日朝にかけての天気予報をまとめましょう。

8日午後から9日朝にかけての時系列天気予報(8日午前11時現在)
8日午後から9日朝にかけての時系列天気予報(8日午前11時現在)

東京では9日朝にかけて雨となり、降水量は20ミリから30ミリと予想されています。

そのほか多くの所で雨の予想ですが、群馬県前橋市や山梨県甲府市など夜間に気温が下がる所ではみぞれや雪の可能性が高くなっています。

【お願い】

この雨や雪の予想は8日午前のデータをもとに作成しています。今後、状況が変わる可能性もありますので、常に最新の気象情報をお使いください。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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