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厳冬列島 16日にかけて大雪、厳しい寒さ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
上空の流れから切り離された寒気は動きが遅い

凍りつく列島。-42度以下の寒冷渦が本州に南下し、14日は日本海側で大雪、太平洋側の平地でも雪が積もった。この厳しい寒さと大雪は16日かけて続く見通し。

秋田上空で-45.3度、記録的な寒気

暖冬・雪不足が一転、日本列島に強い寒気が流れ込んでいます。上空約5000メートルの気温(14日9時)は秋田で-45.3度、輪島で-38.5度、館野(つくば)で-37.3度と平年と比べ10度以上も低くなっています。

寒気の規模としては一年に一度程度です。しかし、局地的にみれば、秋田で-45度以下を記録したのは2012年2月18日以来、5年ぶりのことで、過去あまり例のない低温となりました。

この非常に強い寒気は上空の流れから切り離された寒気で、「寒冷渦」と呼ばれます。過去、大雪や厳しい寒さの多くは寒冷渦が原因でした。動きが遅いことから影響が長引く特徴があります。

北海道は富士山頂よりも寒い?

今朝(14日)は東京都心で午前7時20分に-0.5度を記録し、この冬初めて冬日になりました。

氷点下でも十分に寒いのに、北海道占冠村では-29.7度まで下がりました。富士山頂の朝の気温が-27.9度ですから、占冠は富士山よりも寒かったのです。

通常、気温は地上から上空に向かって低くなります。しかし、今朝のように強い寒気に覆われ、さらに地上の熱が奪われる放射冷却が強まると、上空より地上の方が気温が低くなる逆転現象が起こります。

16日にかけて厳しい寒さが続く

15日にかけて、西日本で雪が続く(14日11時予報)
15日にかけて、西日本で雪が続く(14日11時予報)

14日夜も、西日本では寒気の流れ込みが強いため、今、雪が積もっていない所でも、積雪となるおそれがあります。とくに、山間部を通る道路は積雪や凍結しているため、道路状況にお気をつけください。

そして、14日午後は関東地方でも雪が舞いました。この雪をきっかけに気温はさらに下がるでしょう。

15日朝は今朝以上に冷え込みが強く、宇都宮で-6度、小田原で-4度、東京都心で-2度が予想されています。関東地方のほぼ全域で氷点下となる見通しです。

寒気の底は14日とみられますが、寒冷渦の動きが遅いため影響は長引くでしょう。16日にかけても日本海側で大雪、全国的に厳しい寒さが続きます。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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