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セウォル号転覆事故の遺族 3.11に大川小被災校舎を訪問へ

加藤順子ジャーナリスト、フォトグラファー、気象予報士
大川小被災校舎校庭での慰霊式典(2013年3月11日)

東日本大震災から丸5年となる今年の3月11日に合わせて、2年前に韓国で起きたセウォル号転覆事故で、修学旅行中の高校生を亡くした遺族が来日することがわかった。大津波で児童74人、教職員10人が死亡・行方不明となった宮城県の石巻市立大川小学校の被災校舎を訪れ、遺族同士で交流する。

今回日本を訪れるのは、セウォル号事故の遺族や支援者でつくるネットワーク「4.16連帯」から当時檀園高校生2年生の子どもを亡くした母親2人と父親1人の計3家族ら。2泊3日の旅程で宮城県入りし、3月11日当日には地震・津波が発生した時間帯に合わせて大川小に出向き、慰霊を行ったあとに一部の遺族と面会する予定だ。

同会は、2005年4月25日に大阪で起きたJR福知山線の脱線事故の遺族や、学校事故遺族との交流があり、昨年の福知山線事故の10周年の際にも来日し、追悼行事に参加した。その際、大川小遺族の遺族とも顔合わせの場が持たれ、セウォル号の遺族側から連絡会をつくる呼びかけがあった。

前回に続き、社会に安全文化を根付かせていくうえでの活動のあり方や、遺族として直面している悩みや課題などについて意見交換を行う予定だ。

当時大川小6年の長男大輔さんを亡くした今野ひとみさん(45)は、「子どもを亡くした同じ立場として話したい。特に、年月が経つほど辛くなる気持ちをどのように納得させているのか、心のケアをどうしているのかなどを聞いてみたい」と話している。

ジャーナリスト、フォトグラファー、気象予報士

近年は、引き出し屋問題を取材。その他、学校安全、災害・防災、科学コミュニケーション、ソーシャルデザインが主なテーマ。災害が起きても現場に足を運べず、スタジオから伝えるばかりだった気象キャスター時代を省みて、取材者に。主な共著は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)、『下流中年』(SB新書)等。

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