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アイアンマン世界選手権で稲田弘さんが史上最高齢83歳完走!【動画アリ】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

2016年10月8日、ハワイで開催されたアイアンマン・ワールドチャンピオンシップ2016において、アイアンマン参加者の中で最高齢となる稲田弘さんが16時間49分12秒で完走を果たした。

アイアンマン・ワールドチャンピオンシップとは、トライアスロンにおいて最高峰となるアイアンマン・レース(スイム3.8km、バイク(自転車)180km、ラン42.195km)において、年代別順位上位の者に与えられるスロットを獲得した者が参加できる世界選手権。稲田弘氏は、このレースに過去何度も参戦しており、3年前にもこのアイアンマン・チャンピオンシップにおいて完走をしているが、昨年は制限時間となる16時間50分に、わずか5秒届かない16時間50分5秒でレースを走りきったものの完走扱いにはならなかった。

昨年のレースでは、制限時間内での完走が確実視されていたが、伝え聞く話によれば残りわずかのところで意識を失いかけており、それでもフィニッシュ・ゲートに向けて走り続けた。しかし、フィニッシュ・ゲートまであと数mというところで一度崩れ落ち、その後、再び立ち上がって走り始めたが、わずかに5秒足らず完走扱いとはならなかったのだ。

これはアイアンマンのルールにおいて、制限時間内で完走したものが与えられる称号が「アイアンマン」であり、その制限時間からわずかでも遅れればDNF=記録抹消となるからである。

昨年の結果を受けて、稲田氏は今年も通常のアイアンマン・レースへ参加。そこで完走を果たすと同時にアイアンマン・ワールドチャンピオンシップへ出場できるスロットを獲得して、今年も会場となるハワイのカイルナ・コナでのワールドチャンピオンシップに出場を果たした。

プロも顔負けのトレーニングを毎日積んでいる稲田氏は、スイム、バイクを順調にクリアし、最後のランへとつなげた。出場アスリートの各種目でのタイムを確認できるアスリート・トラッカーで確認すると、常に良いペースでランをこなし、昨年は数秒で逃したフィニッシャー・ゲートへと到達した。

そして今年は16時間49分12秒と、昨年よりも余裕をもって完走を果たした。昨年はゲート前で崩れ落ちる姿がニュースとなって世界的に知られるところとなったが、今年は颯爽とフィニッシャーズ・ゲートを駆け抜けたのだった。

83歳でのアイアンマン・ワールドチャンピオンシップの完走は、当然世界最高齢となる。そして当然、年齢別での世界一でもある。

ちなみに稲田氏がトライアスロンを始めたのは70歳の時だという。

そうした事実を知ると、人間の挑戦に終わりがないこと、そして限界がないということを、改めて知るのだ。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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