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迫り来る自動化の波。自動車の2016年を記事から振り返る。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

2016年の自動車を振り返ると、迫り来る自動化の波を意識せざるを得ないトピックに溢れた1年だったといえる。

実際、筆者は2016年に68本のYahooニュース個人の記事を執筆したが、その中で自動運転や自動運転技術等に触れた内容のニュースは実の20本近くあったことからも、自動車の自動化が近いうちに訪れる時代であることを感じさせる。

2015年の東京モーターショーの前後で、国産各メーカーの自動運転技術がクローズアップされたことを受けての2016年のスタートだったが、その後国産・輸入車を問わず、市販車における自動化が顕著だったといえる。

例えば、1月に記した「人間より上手!? 新型プリウスの駐車アシスト機能が凄い!」という記事では、全自動ではないものの日本の国民車ともいえるトヨタ・プリウスに、より進化した運転支援機能が搭載されたことは注目すべきことだと感じ伝えた。

さらに1月には、「ついに公道使用解禁となったテスラの自動運転を体験」という記事で、テスラ自身が「自動運転」と呼ぶこの機能はどのようなものかをレポートしている。

そして4月には、メルセデスベンツ新型Eクラスに搭載された全自動駐車システムのレポート「全自動駐車システムに驚く【ベンツ新型Eクラスその2】」を公開した。

さらに5月には、同じような全自動駐車システムをスマホでも行なえるテスラの技術を「スマホでOK! テスラの「サモン」が無料配信【動画あり】」という記事で紹介している。

そして7月には、日産がセレナに搭載したプロ・パイロットと呼ばれる同一車線内自動運転技術を「自動運転、ではありません!【日産・プロパイロット/動画アリ】」という記事として公開した。

また同じく7月に「メルセデス・ベンツ、迎賓館で最先端安全技術を公開【動画あり】」という記事も公開。

そしてこのメルセデスの最先端安全技術の発表を受けて感じたことを「ベンツ新型Eクラスの最先端安全技術が開く、自動車の新たな価値」という記事で紹介している。

こうして振り返ると、実に将来の自動運転につながる技術群を搭載した市販車が多く登場したなと感じる。そしてこの波は確実に、今後発売される市販車にも影響を与えるものとなっている。

ただ、一方で残念なことに、こうした装備に対しての認識は一般ユーザーにまだまだ到達しておらず、間違った認識をしている方が結構な割合でいることから、「話題の自動ブレーキについて、誤解してませんか?」という記事を記すに至った。

また合わせて今年、特に後半では、高齢者の自動車事故が数多く報道されたのが印象的だったが、それらを考えると自動車における自動化の波はもっと大きく強いものになっても良いとも思える。そして来年はこの辺りに関しても、このYahooニュース個人で取り上げていこうと考えている。

自動車の自動化についての記事では、「自動車にまつわる制御は信用できない」とか「自身で運転する技量が落ちる」とか「運転の楽しみを奪う」という意見を多く目にする。しかし、これに関しても自動化される技術に対する認識の不足や誤認等からである場合も多い。ゆえにこの辺りに関しても2017年は、もっと多くの方に自動化を理解していただけるようなレポートを用意していきたいと思う。

また筆者としても、自動車の自動化については大いに賛成しているが、その辺りの意見に関しても、筆者が考える今後の自動車のあり方と合わせて細かくレポートとして公開していく予定だ。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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