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ハリルホジッチ率いる日本代表の大分合宿で見えてきたものとは?

河治良幸スポーツジャーナリスト

3月27日にハリルホジッチ監督の初采配となるチュニジア戦をむかえる日本代表。ここまで取材した大分合宿のうち、2日目と3日目は冒頭15分のみの公開となったが、その中でも選手と新監督の熱意が伝わってきた。

ここまでの取材で見えてきたハリルホジッチ率いる日本代表に関して『日本代表について議論するページ』からの質問に回答する形で記事をまとめた。

【直前情報】河治良幸が解説する日本代表・大分キャンプ

(日議)明日(3月27日)ハリルホジッチ監督初采配のチュニジア戦が行われますが、河治さんは大分合宿初日から取材をされています。代表の様子はいかがですか?

(河治)いい意味で緊張感があります。2、3日目が冒頭15分のみの公開だったので練習の中身までは話の範囲でしか分かりませんが、ウォーミングアップのあと練習前に必ず集合してミーティングを行うなど、集中してメッセージを伝えていきたい意識が出ていますね。

(日議)非公開の場合は選手に直撃取材ですか?

(河治)非公開となると具体的なメニューなどは選手も答えにくくなるのは当然ですが、ただ今回はメンバー発表の会見でハリルホジッチ監督が語っていた様に、対戦相手との情報戦というよりスタートの段階で練習に集中したいという目的なので、多少内容を聞き出すのは問題ないと思います。

(日議)どのような話が聞けましたか?

(河治)守備の距離感や攻撃のスピードなど、戦術の基本的な部分を練習した様ですが、その間に技術的な細かいことまで指示されている様です。例えばトラップの仕方とか、代表クラスの選手にそうしたことまで要求する監督は珍しいかもしれません。

(日議)河治さんが3日間で取材した選手は?

(河治)3日間で全体の3分の1ぐらいですかね。じっくり聞けるのは時間的に1日で2人ぐらいですが、内田選手、西川選手、川島選手、青山選手、山口選手、清武選手など。

フレッシュなところとしては、藤春選手も少し話すことができました。直接聞けていない選手も情報としては他の記者と共有している部分もあります。

(日議)内田選手は花粉症らしいですね。他の選手はいかがですか?

(河治)内田選手はかなりつらそうでしたね。自分は初日に聞きましたが、膝は様子見ながら、ランニングメニューなどこなしていたのは安心しました。

大迫選手は足首を少し痛めている様で、乾選手も体調を壊して3日目の練習は休養しています。また興梠選手が初日に参加しただけで離脱しましたが、笑顔でランニングしていたので、診断結果は確認できていませんが、そこまで無理をさせない意図もあるかもしれませんね。

とにかく急に冷え込んだので、一般の人と同じく風邪などは心配する部分ではありますね。

(日議)青山選手、山口選手は久しぶりの招集ですが、いかがでしたか?

(河治)青山選手はブラジルW杯でコロンビア戦後に取材をして、世界の舞台で相手だけでなくチームの中でも自分の力を発揮できず、「打ちのめされました」と語っていたのを覚えていますが、今回の招集で気持ちを新たにピッチで100%出したいと語っていました。

山口選手は懐かしい気持ちもあったみたいですが、やはり周りのレベルが高く、監督の要求も高いので、もっとうまくなれるという気持ちが高まっている様です。

(日議)初招集の藤春選手はいかがでしょう?

(河治)まだ分からない部分も多い中でも積極的に他の選手とコミュニケーションを取っている様です。練習後の取材では最初の方に出てきて最後までいるので、バスを待たせて重鎮の選手たちに怒られてないかこっちが不安になったぐらいですが(笑)。

明るい選手ですし、すんなり溶け込んでいるのではないかと思いますね。プレーとしては持ち味のスピードをどんどん出していきたい様です。

それはハリルホジッチ監督が日本代表に不足を感じていた部分でもあると思うので、うまくアピールしていけば定着につながるのではないでしょうか。

(日議)話題の長谷部さんの情報はありますか?(笑)

(河治)話をきく範囲ではいたってまじめな内容ですが、終止笑顔というか。これまでもメディア対応はしっかりしている選手ですが、とにかく笑顔ですね。

(日議)笑顔ですか。充実してるんですね(笑) 背番号が発表されましたがどう思われましたか?

(河治)遠藤選手の付けていた7番を柴崎選手が継承したなというのが第一ですかね。アギーレ前監督の最初のころも付けていましたが、活躍次第で定着していくのかなと。

もちろん遠藤選手も今後、必要になれば招集の可能性はあるみたいですが、日本代表の中でも伝統的な7番の似合う選手になっていくことを期待したいです。

あとは永井選手の11番ですか。やっぱりカズさんなどが付けてきた番号ですからね。背番号でサッカーをやるわけではないですが、期待は高まりますね。

(日議)内田選手はいつもの2番でしたが試合に出る可能性はありますか?

(河治)練習をこなしてはいるみたいですからね。膝に関しては昨日今日悪くなったというより向き合いながらだと思うので、状態次第ではという感じですね。

個人的にはここまでやれているのが収穫で、試合まで無理する必要は無いと思いますが。

(日議)他に練習で気になったことは?

(河治)スタッフが練習に入っていることですね。もちろんメインは選手なんですが、グラウンドの周回もそうですし、ウォーミングアップにも入っていたりします。

3日目は霜田委員長がボール回しに参加していましたが、パスをカットされたあと鬼になって、かなり大変そうでした(笑)。ハリルホジッチ監督もピンクのビブスを着たりしていて、スタッフも一緒に体を動かしながらというのは新鮮ですね。

(日議)練習初日にハリルホジッチ監督がランニングで半周遅れで完走されたようですが、霜田委員長はいかがでしたか?

(河治)霜田委員長も最初は同じペースで、途中からは遅れながらでした。アギーレ前監督の通訳で、現在はリカルドGKコーチの通訳兼スタッフとしてチームに残っている羽生さんと一緒だったと思います。

ハリルホジッチ監督の通訳である樋渡さんは先頭を切って走っていますね。選手に負けないぐらいはりきっている様に見えます(笑)。

(日議)雰囲気のいい合宿のイメージを感じますね。

(河治)そうですね。ただ集合の合図とともに早く集まるとか、フィジカルメニューの時にバラバラにならず統率感があったり、規律を持って集中はしていると思います。選手たちもたぶん、体より頭が疲れていると思いますよ。

(日議)では最後に代表名物「散歩隊」は外出禁止のために活動できないようですがハリルホジッチ監督の間はムリそうですか?

(河治)とりあえずチームを管理して、規律と一体感を出そうとしていると思いますが、慣れて日本の選手たちのことも理解してくれば、交渉の余地はあるんじゃないかと思います。

それで良い気分転換にしている選手もいますからね。新しい選手が溶け込む機会でもありますし。特に海外ならそこまで大騒ぎにならないので、ケースバイケースという感じで。それこそ川島選手のフランス語に期待したいですね(笑)。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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