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クラブW杯3位に輝いたサンフレッチェ広島。宮原和也が念願の先発出場で得た手応えと課題

河治良幸スポーツジャーナリスト

クラブW杯の3位決定戦は序盤に先制された広島が後半に投入されたドウグラスの2ゴールで逆転。アジア王者の広州恒大を破り、クラブW杯3位の称号を獲得した。

ここまでの3試合で守備陣を支えてきた千葉和彦を欠く中、森保一監督はユース出身の宮原和也をスタメンに抜擢。3バックの右ストッパーに入った宮原は序盤こそ圧力に後手を踏む場面も見られたものの、反撃を狙う攻撃陣の背後をしっかりとカバーし、長身FWガオ・リンにも屈することなく跳ね返すなど、後半の逆転につなげた。

スタメンを告げられてから「広州の試合をビデオで観てイメージしながら臨みました」という宮原は「久しぶりの公式戦だったので、落ち着きながらやろうと思った」と振り返る。

相手の攻撃にも「そんなに驚くことはなかった」と語る宮原は恵まれた体格があるわけではないが、もともとユース時代から見せていた高い空間認識力と相手に怯まない気持ちを押し出し、自分より大きな相手とも戦えることを改めて示した。

「最後に使ってもらえると思っていなかったので嬉しかった」という宮原は主に守備の局面で確かな手応えを掴んだ様子。それでも「やれた部分もありましたが、もう少し攻撃の部分ができたら良かったかもしれない。もっとボールを前に運ぶ仕事ができれば良かった」と自分なりに感じた課題を口にする。

2013年のU-17W杯でベスト16進出に貢献するなど、同年代では国際舞台も経験してきた宮原。さらに上のカテゴリーで中心になっていくためにも「個のレベルを上げて全ての部分で上回れる様にやっていきたい」と気持ちを表すが、その意味でも広島で高いレベルの競争に打ち勝ち、公式戦にもっと出られる状況を作り出していく必要がある。

もっとも来年は今年参加できなかったACLとリーグ戦を並行して戦うため、過密日程の中で宮原にもチャンスは増えるはずだ。そのACLでグループリーグ、さらに厳しいトーナメントを勝ち抜くために「(広島の強さは)総合力と監督は常に言っているし、チームとして勝っていくこと」と宮原は語る。

クラブで、そして代表で輝きを放つために、このクラブW杯での経験が宮原にとって大きな転機となるのか。それは彼自身にかかっている。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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