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遂にヤンキースから一桁が完全消滅!MLBの永久欠番事情

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
来年5月に永久欠番セレモニーが実施されることになったジーター選手(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

ヤンキースが6日、2014年シーズン限りで現役を引退したデレック・ジーター選手が使用していた2番を永久欠番とし、来年5月14日にセレモニーを実施することを明らかにした。チケット専門会社のツイートによると、当日のチケットは現在でも最低でも232ドルで取引きされているらしく、今後もさらにプレミアチケット化していきそうだ。

ジーター選手は1990年代後半から始まったトーリ監督時代を支えた中心選手であり、オールスター出場14回を数え、さらに球団記録の3465安打を記録するなど、永久欠番は引退していた当時から既定路線だった。とはいえこの結果、遂にヤンキースから1桁台の背番号が消滅してしまうことになったのだ。

今更説明する必要は無いと思うが、ヤンキースは2番以外の一桁台の背番号はすべて永久欠番になっている。念のため説明しておくと…

1番:ビリー・マーティン

3番:ベーブ・ルース

4番:ルー・ゲーリック

5番:ジョー・ディマジオ

6番:ジョ・トーリ

7番:ミッキー・マントル

8番:ビル・ディッキー、ヨギ・ベラ

9番:ロジャー・マリス

このうち1番と6番は、いずれも監督が使用していたもの。日本の場合監督が1桁台の背番号を使用することは希なので、念のため補足説明しておいた。いずれにせよここに登場する9名は、MLBファンなら一度は名前を聞いたことがあるビッグネームばかりで、ヤンキースの輝かしい歴史を彩ってきた永久欠番に相応しい人たちだ。

ただMLBの他のチームと比較すると、ヤンキースの永久欠番の数は突出しているのは確かだ。現在ヤンキースの永久欠番数は20に及ぶ。ちなみに42番は黒人初のMLB選手だったジャッキー・ロビンソン選手が使用していた番号として、1997年にリーグ全体で永久欠番とされているが、ヤンキースの場合、それ以前から同じ番号を使用し「MLB最後の42番」となったマリアノ・リベラ投手として永久欠番になっているので、この42番を含めての20となっている。

これが他のチームだと、永久欠番が10以上を超える(42番は除外)のはカージナルスの12がトップで、あとはドジャース、レッズ、ブルワーズ、ブレーブス、ホワイトソックスの10となっている。

逆に永久欠番が少ないのはブルージェイズ、マリナーズ、マーリンズの1つだけ。マーリンズの場合、シーズン開幕当初は永久欠番がなかったのだが、シーズン途中で不慮の事故死を遂げたホゼ・フェルナンデス投手が使用していた16番の永久欠番が決まり、MLB全チームに永久欠番が存在するようになった。

ちなみにジャッキー・ロビンソン選手のリーグ統一永久欠番以外でも、ノーラン・ライアン投手やハンク・アーロン選手のように複数チームで永久欠番になっているケースもある。

MLBでの在籍年数が短くなってしまう日本人選手がMLBで永久欠番になるのは極めて難しいが、現在のところ唯一イチロー選手だけはその可能性がありそうな気がする。また日本ハムから将来的なMLB移籍が容認された大谷翔平選手が近々やって来れば、その活躍次第で彼にもチャンスがあるかもしてない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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