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完全復活なるか?レンジャーズがジョシュ・ハミルトンとマイナー契約へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
レンジャーズの地元メディアがハミルトン選手との再契約を報じた(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

レンジャーズの公式サイトや地元メディアが現地時間の23日、今年8月に解雇していたジョシュ・ハミルトン選手とマイナー契約を結ぶ予定だと報じた。昨年9月から計3度の手術を受けた左ヒザの検査をした結果、チームが問題と判断したためだ。

ハミルトン選手との再契約はある意味、既定路線だった。今年7月に3度目の手術を受け今シーズン中の復帰が不可能となり、チームは他選手の登録枠入りを目指すためハミルトン選手の解雇を決めたのだが、その時点でチームは本人と話し合い、左ヒザの回復に応じてマイナー契約を結ぶ方向を明らかにしていたからだ。

この結果ハミルトン選手は招待選手としてメジャー・キャンプに参加し、2年ぶりのメジャー復帰を目指すことになる。チームとしてはコマ不足の指名打者として期待を寄せているようだが、かつては2010年にリーグMVPに輝くなど、MLBを代表する強打者だった男の完全復活はあるのだろうか。

ハミルトン選手の野球人生は周知の通り、ジェットコースターのような浮き沈みを繰り返してきた。左ヒザが完治したとしても、アルコール依存症、薬物依存症を完全に克服できない精神的弱さは相変わらず最大の不安要素だ。ただ2015年にエンゼルスからレンジャーズに復帰した際にかつてのサポートチームが戻ってきたこともあり、それ以降は問題は表面化はしていない。

さらに来年5月で35歳になることを考えれば、体力面ではすでにピークを過ぎたといっていい。ここ数年は負傷に悩まされている状態で、シーズンを通してプレーできるコンディションを維持できるのかもわからない。

だが2008年からレンジャーズに5年間在籍し、5年連続オールスター戦に出場し、2010、2011年にチームをワールドシリーズに導いた活躍は、ハミルトン選手が最も輝いた時期であり、今もレンジャーズ・ファンは彼に対する愛着、期待が強い。

いずれにせよハミルトン選手の復活は、レンジャーズにとって大きな戦力アップになるのは間違いない。キャンプ中の大きな関心事の一つになるだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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