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大家が今年キャンプの“最も興味を注がれるメジャー復帰を狙うベテラン選手”の1人に!

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
3年ぶりに米国のキャンプに参加する大家友和投手(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

今回アップされた記事は公式サイトが直接関わったものではなく、スポーツ専門サイト「SPORTS ON EARTH」に掲載された記事をリンク付けしたものだ。タイトルは「MOST INTRIGUING NON-ROSTER INVITEES」。日本語に訳すとすると、「最も興味を注がれる招待選手たち」というもので、筆者が選ぶ8選手の中に大家投手が入ったというわけだ。

といっても大家投手の場合はあくまでオリオールズとマイナー契約を結んだものの、招待選手としてメジャー・キャンプに参加するわけではない。この記事で紹介されている他の7人と比較すると、一番厳しい立場に置かれていると言っていい。筆者も「メジャー昇格だけでなくマイナーに配属されるかもわからない険しい道のりだ」と解説している。

しかしその一方で、大家投手のエキスポ時代の同僚だったバートロ・コロン投手が2011年に38歳でヤンキースの招待選手としてメジャー復帰を目指し、そこから2度のオールスター戦にも出場し、44歳の現在も現役を続けているように、彼を彷彿させるようなチャレンジだとしている。もちろん米国人も飽くなきチャレンジ精神は大好きで、今回の大家投手の挑戦も興味深く受け取られているということだ。まだナックルボーラーに転身してからわずか5年。飛躍の可能性は十分にあると期待したい。

折角なので他の7人も紹介しておこう。

●ジミー・ロリンズ選手(ジャイアンツ)

昨年6月にホワイトソックスを解雇されて以来の挑戦となる。このキャンプで38歳のロリンズ選手は、3選手と内野手の最後の一枠を争うことになるという。

●マイク・モース選手(ジャイアンツ)

昨年4月にパイレーツを解雇されると、残りシーズンはどのチームとも契約できなかった。2014年のジャイアンツで長距離打者として活躍した実績から今回のチャンスを掴んだが、ロリンズ選手同様に厳しい生存競争が待ち受けている。

●ジョッシュ・ハミルトン選手(レンジャーズ)

度重なるヒザの手術で昨年は一度もメジャーでプレーできないままレンジャーズから解雇された。ヒザの状態さえ問題なければ、一塁兼指名打者としてメジャー復帰に期待がかかる。

●ブランドン・リーグ投手(ロイヤルズ)

かつては時速100マイルを誇るクローザーとしてオールスター戦にも出場。しかし2015年3月に肩痛を起こし、それ以降はわずか10試合しか登板できないまま、昨年はどのチームにも所属していなかった。今年のロイヤルズのリリーフ陣はコマ不足の状態で、キャンプの成績次第で十分にチャンスがありそうだ。

●ブロンソン・アローヨ投手(レッズ)

2013年まで9年連続で32試合以上先発登板する実績を誇ったが、2014年6月にトミージョン手術を受けることに。手術後はブレーブス、ドジャース、ナショナルズに所属したが、わずか2試合しか先発できなかった。今年のレッズの先発陣はまだ確定できていない状態だが、40歳のアローヨ投手にどれだけの余力が残っているのかは疑問が残る。

●ジョナサン・サンチェス投手(ロイヤルズ)

2010年にはノーヒットノーランを達成。しかし2011年から上腕二頭筋痛に悩まされ始め、2013年4月以来メジャーのマウンドから遠ざかっている。昨年もレッズでメジャー復帰を目指したがシーズン開幕前に解雇された。リリーフ投手不足に悩むロイヤルズで再挑戦を狙う。

●ウィリー・モー・ペーニャ選手(インディアンズ)

2011年シーズンを最後に、2012年から4年間は日本のプロ野球(ソフトバンク、オリックス、楽天)に在籍。昨年はどのチームにも在籍していなかったが、ペーニャ選手の親友であるエドウィン・エンカーナシオン選手の勧誘でドミニカでペーニャ選手の調査を行い、契約に至った。しかし一塁、指名打者ともに枠が埋まっており、厳しい状況にある。

今年のキャンプでは大家投手を含めた8人のベテラン選手たちのチャレンジも、ファンから注目を集めそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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