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カブスの“陰”のムードメーカー、名物コーチのコスプレ七変化

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
カブスの名物コーチ、ティム・バス氏のパフォーマンスが選手を和ませる

バッテリー組に続き野手も合流し、カブスの本格的なスプリング・トレーニングが始まって間もない頃だった。

グラウンド上で選手、コーチが円陣を組んでミーティングを行う中、突然張り裂けそうなエンジン音が響き渡った。突如グラウンドに現れた真っ白なオープンカーのフェラーリ。運転席には金色のネックレスをしたスーツ姿の男が乗っていた。フェラーリは円陣の周りをゆっくりと走り回ると、選手たちは拍手と大爆笑で出迎えた。

この成金風のスーツ姿の男こそ、カブスでストレングス/コンディショニング・コーディネーターを務めるティム・バス氏だ 。普段は選手たちのトレーニングメニューを作成したり健康管理を担当している人物なのだが、このバス氏こそ知る人ぞ知るカブスのムードメーカーなのだ。

スプリング・トレーニングは毎日バス氏が指揮するウォーミングアップから始まるのだが、その開始前に行われているのが「ティム・バス独演会」なのだ。フェラーリでの登場もバス氏ならではの演出の1つ。毎日彼のパフォーマンスが選手を爆笑の渦に包み込み、そこからトレーニングを始めるのがカブスの恒例行事になっている。

実は、昨年からバス氏にとって格好のからかい相手になっているのが川崎宗則選手だ(今年は野手が合流するまで上原浩治投手がその役を演じていた)。昨年川崎選手がカラオケを披露したのも、バス氏から依頼を受けたためだった。今では2人の掛け合いは選手、コーチ達のお気に入りになっている。

またバス氏のパフォーマンスの最たるものがコスプレだ。フェラーリに乗ったスーツ姿だけではなく、その日のテーマに合わせてコスチュームを用意する念の入れようだ。以下、昨年披露したコスチュームのいくつかを紹介しよう。

カウボーイ編
カウボーイ編
ユニークシャツ編
ユニークシャツ編
バスケ小僧編
バスケ小僧編
セント・パトリックデー編
セント・パトリックデー編

如何だろう?とにかくバス氏の破天荒ぶりを感じ取ってもらえるだろう。しかしバス氏個人の考えで、こんなパフォーマンスができるはずもない。しっかりマドン監督のお墨付きを得ているからに他ならない。というか、時にはマドン監督も一緒に参加して選手を喜ばせているのだ。

昨年のことだが名将は、「1ヶ月半もの間、毎日同じ場所で試合と練習に明け暮れるのは選手にとっても決して楽なことではない。気分を変えながら毎日を楽しむことが大切だ」と説明している。まさにバス氏はその環境を作り出す最高の人物なのだ。

このスプリング・トレーニングでも、選手、コーチばかりかメディアさえもバス氏のパフォーマンスに期待し、胸膨らませている。こうしてグラウンドで笑いを積み重ねながらカブスはまた一つにまとまり、シーズンを迎えようとしている。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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