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元ヤクルト・ロマン「もう一度、日本で」の思い変わらず。独立L入りも視野に

菊田康彦フリーランスライター
プエルトリコ代表として、4大会連続のWBC出場を果たしたロマン(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

アメリカ代表の初優勝で幕を閉じた2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。決勝戦で敗れたプエルトリコ代表メンバーで、元東京ヤクルトスワローズのオーランド・ロマン(38歳)は大会が終わった今、これからの道を模索している。

「体は健康。状態もいいし、絞れている」

2006年の第1回から4大会連続でWBC出場を果たしたロマンだが、今大会での出番は先発として投げた2次ラウンド初戦のドミニカ共和国戦のみ。大会前に行われたサンフランシスコ・ジャイアンツとの強化試合では救援で2イニングを投げていたが、1次ラウンドでの登板機会はなく、この試合が強化試合以来のマウンドだった。初回に無死満塁のピンチを迎えながらこれを切り抜けるなど、3回途中まで1失点でしのいだものの、なかなかペースをつかめず「レギュラーシーズンの試合と違って難しかった」と、力を出し切れなかったと話す。

その後の試合ではブルペンで待機を続けたがマウンドに上がる機会はなく、プエルトリコが0対8でアメリカに敗れた決勝戦でも出番はなし。だが「体は健康だし、状態もいい。(昨年の)台湾のリーグが終わってからもウインターリーグ、そしてWBCがあったから体も絞れている。体重も(ヤクルトに在籍していた)一昨年よりも落ちていると思う」と、現役続行に意欲を見せている。

「独立リーグでプレーして、NPBのオファー待つのも手」

ロマンは2015年限りでヤクルトを退団し、昨年は台湾プロ野球(CPBL)のLamigoモンキーズで12勝7敗、防御率4.64をマーク。台湾の球団からは新たなオファーも受けているというが「もう一度、日本で投げたい」というのが本音だ。もちろんシーズン開幕を1週間後に控えた今、ひととおり新外国人の補強を終えたNPBの球団が獲得に乗り出すというのは、現実的ではない。それでも──。

「今すぐにというのが難しいなら、日本の独立リーグでプレーして、NPBからのオファーを待つのも手かもしれない。スワローズが(選手として)オファーしてくることはないと思うが、NPBのチームならどこでもいい。WBCではあまりチャンスがなかったけど、長いシーズンなら役に立てると思うし、先発でもリリーフでも何でもやるつもりだ。年俸も欲張るつもりはないよ(笑)」

ヤクルトからは国際スカウトとしての職をオファーされており、首をタテに振りさえすれば、愛着のある古巣に戻ることもできる。しかし、WBCで不完全燃焼に終わった今、簡単に現役をあきらめることはできない。ならば最後にもう一度、日本で投げたい──。ロマンはまだ、その思いを捨てられずにいる。

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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