ウィリアム英王子の妻、キャサリン妃がご懐妊 伝統の長男優先廃止で女児でも王位継承順位3位に

木村正人 | 在英国際ジャーナリスト

英国の王位継承順位2位のウィリアム王子(30)の妻、キャサリン妃(30)が第一子を身ごもったと12月3日午後、チャールズ英皇太子公邸が発表した。第一子が誕生すれば性別に関係なくチャールズ皇太子、ウィリアム王子に次いで王位継承順位3位となる。

2人は昨年4月29日にロンドンのウェストミンスター寺院で結婚式を挙げた。キャサリン妃は最近、気分がすぐれないとしてロンドンのエドワード7世病院で診察を受けたところ、妊娠していることが分かったという。キャサリン妃は1週間入院する予定。妊娠からまだ12週間を経過していないという。

今年はエリザベス女王の在位60年、ロンドン五輪・パラリンピックの成功とうれしいニュースが相次いでおり、キャサリン妃ご懐妊の朗報に英国中が沸き立っている。

キャサリン妃は一般家庭の出身で、将来の国王(ウィリアム王子)が貴族階級ではない一般家庭出身の女性と結婚するのは1660年のヨーク公(後のジェームズ2世)以来、350年ぶり。

英政府は2人の結婚後、英王室の王位継承法について現行の男子優先を廃止、性別にかかわらず長子が王位を継承できるよう改正し、ウィリアム王子とキャサリン妃の第1子誕生に備えていた。

英国では直系男子の王位継承が優先されてきたが、日本のように男系男子に限っていないため、1952年には男兄弟のいなかったエリザベス女王が即位した。

世論調査で「男子優先は時代遅れ」との声が75%を占めるようになり、労働党のブラウン前首相時代から王位継承法改正に向けた準備が進められてきた。

欧州の王室では長子継承が主流だ。王室のある欧州7カ国(モナコなど公国を除く)のうち、スウェーデンが1979年に長子継承に法改正したのを機にオランダやノルウェー、ベルギー、デンマークが続いている。

エジプトのファルーク国王(1952年の革命で王政崩壊)は「生き残ることができるのはトランプの王様4人と英国王」という名セリフを残したが、時代に合わせて王位継承法を改正する柔軟さでキャサリン妃にかかる精神的プレッシャーをやわらげた。

ウィリアム王子

チャールズ皇太子と故ダイアナ元皇太子妃の長男。英名門私立校イートン校卒、スコットランド地方のセントアンドルーズ大でキャサリン妃と出会った。英空軍救難ヘリコプターの副操縦士。弟はヘンリー王子。

キャサリン妃

英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ職員、マイケル・ミドルトン氏と客室乗務員だったキャロル・エリザベスさんの長女。英服飾会社「ジグソー」で勤務後、両親が経営する通信販売会社を手伝う。

(おわり)

木村正人

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。i.media.london.japan@gmail.com

木村正人の最近の記事

有識者・専門家がニュースに切り込む

個人アクセスランキング(国際)

  1. 1

    ギリシャ国民投票:6人の経済学者たちは「賛成」か「反対」か

  2. 2

    台湾の軍事パレードは北京に見せるため――日中戦争を戦ったのは誰か

  3. 3

    ギリシャ危機は借金問題ではない。階級政治だ

  4. 4

    ギリシャ国民投票「否決」 歓喜か、狂気か 世界を破局に導く「感情の政治学」

  5. 5

    中国指導部は株式市場の無政府性を理解せず

  6. 6

    銀座で中国人が化粧品、家電以外に「爆買い」している、“意外なもの”とは?

  7. 7

    「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」……残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

  8. 8

    有料初公開の知られざる北朝鮮軍幹部(将軍)リスト

  9. 9

    有料北朝鮮ではなぜクーデターが起きない----その四つの理由

  10. 10

    「借金を返さないならユーロから出て行け」と言えてしまうドイツ気質って何?

  1. 11

    メルケル首相も王毅外相も見落としている――日本とドイツでは戦後状況が異なる

  2. 12

    これはユーロ離脱を問う国民投票だ ギリシャの離脱は濃厚に

  3. 13

    徴兵制復活の恐怖を煽る意味の無さ

    JSF
  4. 14

    有料「イスラム国」の誕生から一年

  5. 15

    ドイツで大戦中の戦車が押収される騒動

  6. 16

    北朝鮮が「拉致再調査報告」の延期を通告…立て直しが迫られる日本の対北朝鮮政策

  7. 17

    金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか

  8. 18

    中国人民解放軍が中朝国境の配備を強化 北朝鮮の「Xデー」を予感か

  9. 19

    有料米国景気、急回復は望み薄=QE4は不可避か

  10. 20

    ロシアのプーチン大統領がすごいことになっている

個人の書き手も有料ニュースを配信中