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インディアンス傘下3Aの村田投手、今季もメジャー昇格を目指して。

谷口輝世子スポーツライター
スタッフと談笑する村田投手(右)

昨年、メジャーデビューを果たしたインディアンス傘下3Aの村田透投手が、今季もメジャー昇格を目指して、少しずつ結果を積み重ねている。

村田は昨年までと同様にマイナーリーグで開幕を迎えた。2013年から15年までは先発として登板することが多かったが、今季は中継ぎや抑え投手として起用されている。5月8日時点で、7試合に登板、1勝1敗、2セーブ。

今季初登板となった4月10日の試合では1回2/3を投げ、3安打4失点で負け投手になり、2試合目も失点を許したが、3試合目の登板をした4月16日以降は17イニング連続無失点を記録。(5月8日時点)

村田は開幕からを振り返り「キャンプ中に試合で投げられることが少なかったので、ちょっと調整不足というか。自分の思ったように投げられない感じでした。1試合目は全然ダメで、2試合目の前ぐらいから修正ができるようになってきた。2試合目は悪くなかったが運悪くヒットになって失点になったが、そこからは続けて抑えられて、今は問題なくやれている」と自信と手応えを口にした。

今季はリリーフ投手として起用されており、ブルペンでの限られた時間で準備をし、結果を出さなければいけない。

村田は「いつ投げるか分からないことはあるが、早く知らせてもらい、長目に準備させてもらえているので問題はない。短いイニングで初めからとばしていくというか、それだけしか考えていないです。ごちゃごちゃ言える立場でもないですし、プロスペクトでもないですし、メジャー枠の人間でもないので、とりあえずやるだけです。結果を出すだけです」と話す。

ドラフト上位で指名された若い選手は注目を得られ、チャンスも与えられやすい。しかし、村田はすでに30歳。若くて超有望株というわけではない。

それだけに、マイナーで結果を出し続けた村田が、昨年6月にメジャーデビューを果たした時には、インディアンス傘下の全ての選手に意味があることと、フランコナ監督は話した。村田のメジャー昇格は、結果を出し続けていれば、チャンスが訪れるという希望をインディアンス傘下の選手に与えたからだ。

村田は、今年も結果を出さなければチャンスは巡ってこない場所からシーズンのスタートを切った。ただし、昨シーズン3Aでの15勝4敗、防御率2.90という数字とメジャーデビューした経験はムダにはなっていない。

村田は「どうやったら抑えられるという自分の形を作れたので、それを今年はやることができているので、昨年よりはやりやすい」と言う。

メジャー傘下3A。メジャーデビューを控えた若い選手、敗者復活にかけるベテラン選手、かつては超有望と言われながらもメジャーに定着できない選手たちが競っている。村田の対戦相手には、楽天でプレーしたケーシー・マギーがいた。

マイナーリーグの観客席はメジャーリーグに比べておだやかでのんびりした空気に包まれているが、選手たちの生き残りをかけた競争は熾烈だ。そんななかで、村田も2度目のメジャー昇格を目指して戦っている。

スポーツライター

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情をお伝えします。著書『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのかーー米国発スポーツペアレンティングのすすめ 』(生活書院)『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店) 連絡先kiyokotaniguchiアットマークhotmail.com

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