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話題の男性ストリップ映画に日本女性は熱狂するか!?

清藤秀人映画ライター/コメンテーター
「マジック・マイク」8月3日(土) シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

客席に下りて女性客の目の前で腰をシェイクする男たち!

女性オンリーの客席から巻き起こる絶叫に近い歓声に促され、ステージでは黒いスーツを着た男性ダンサーたちが踊りながら上着を脱ぎ、次にシャツを脱いで鍛え上げた大胸筋と腹筋を晒した後、突然、あり得ない早業でスラックスを剥ぎ取ると、Tバックで辛うじて隠された股間とヒップがぷるーんと露わになる。しかし、お楽しみはそこからだ。ほぼ全裸になったダンサーたちは客席に下りて、女性たちの目の前で嫌らしく股間をシェイク!すると、Tバックの紐に次々とチップが差し込まれていく。。。

これまでも、男性ストリップが映画に登場したことはある。しかし、「マジック・マイク」は男性ストリッパーを主人公に、彼らの日常をリアルに綴った史上初の本格的男性ストリップ映画。ベテラン、売れっ子、そして新人のストリッパーたちが、楽屋ではどんな準備をしてパフォーマンスに臨み、どうやってステージを盛り上げ、結果、いくら稼ぐかまでが、克明に紹介される。また、ダンサーたちがステージを終えた後も熱狂的なグルーピー集団とさらに進んだ関係を持ち、仕事とも、欲望とも取れるヤバイ領域に足を踏み入れていくプロセスは、業界ものを超えて、ほろ苦い青春映画として捉えることも可能だ。

仕掛け人はハリウッド最強の青春スター、チャニング・テイタム

体だけでなく演技でも魅せるテイタム
体だけでなく演技でも魅せるテイタム

最大の話題は、この企画を立ち上げ、製作と主演を兼任したばかりか、物語の舞台になるフロリダまで足を運び、ストリッパー役のオーディションにも立ち会ったチャニング・テイタムだ。これは、映画スターとしてブレイクする前、18歳から19歳までの約8ヶ月間、彼が"チャン・クロフォード"の芸名でストリッパーとして働いていた頃の実体験がベースになっていることが、テイタム本人の口から明かされたのが2010年のこと。今をときめくハリウッド最強の青春スターが、知られざる過去を隠すどころか、そこで得た経験を映画経由で世間に告知する。その堂々として潔いスタンスが映画のPRになったことは言うまでもなく、マジック・マイクは人気TVショー「サタデー・ナイト・ライブ」でジョセフ・ゴードン=レヴィットが物真似するほどの人気キャラになってしまう。

物語はテイタム自身の体験がベースになっている
物語はテイタム自身の体験がベースになっている

撮影の合間もバーベルを持ち上げ、最高の仕上がりでヒップホップ・ストリップを披露するテイタム以下、見事な脱ぎっぷりで筋肉美を競い合うのは、アレックス・ペティフアー、マット・ボマー、ジョー・マンガニエロ等、いずれ劣らぬイケメン軍団と、まるで、役が憑依したかのような艶めかしさでクラブのオーナー兼MC兼ダンサーを演じるマシュー・マコノヒー。果たして、劇中で興奮しまくりの女性観客同様、日本の女性たちもストリッパーたちの挑発に乗るだろうか?因みに、僕が得た情報では、女の子たちが今一番見たい映画は「マジック・マイク」だそうだ。

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映画ライター/コメンテーター

アパレル業界から映画ライターに転身。1987年、オードリー・ヘプバーンにインタビューする機会に恵まれる。著書に「オードリーに学ぶおしゃれ練習帳」(近代映画社・刊)ほか。また、監修として「オードリー・ヘプバーンという生き方」「オードリー・ヘプバーン永遠の言葉120」(共に宝島社・刊)。映画.com、CINEMORE、MOVIE WALKER PRESS、劇場用パンフレット等にレビューを執筆、Safari オンラインにファッション・コラムを執筆。TV、ラジオに映画コメンテーターとして出演。

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