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「最低やっぱり、(ベスト)8、4に入るのが目標としてはあります」錦織圭2016ウインブルドンに挑む!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
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テニスの4大メジャーであるグランドスラムの第3戦・ウインブルドンが、6月27日からイギリス・ロンドンで開幕するが、錦織圭(ATPランキング6位、6月27日付、以下同)は、自己最高の第5シードとして臨む。

6月中旬に、錦織は、前哨戦のATPハレ大会1回戦で、左わき腹腹筋を痛めて、2回戦を棄権しているため不安があるものの、ウインブルドンの会場で、慎重に練習を重ねながら調整した。

「今年もハレで、また痛めたので、やっぱりヨーロッパでのたぶん疲れだったり、芝に入ると自然とショットを強めに打つので、そういう影響もあると思います。気づかないところで、疲れが出ているのかな。今週(大会直前の週)休みながらも、しっかり準備はできているので、1試合目の月曜日には大丈夫だと思います。もちろん来週から始まるので、少しずつ気持ちは入れ、リラックスもしながら集中したいと思います」

錦織は、1回戦でサム・グロス(123位・オーストラリア)と対戦する。対戦成績は錦織の1勝0敗。ただし、グロスは、テニス界最速となる時速263kmのサーブを放つビッグサーバーで、「たぶん芝では、一番やりたくない選手ですね」と錦織は警戒する。

「なかなかブレークは難しいと思いますけど、リターンがカギになりますね。セカンドサーブの時に、どれだけリターンを返せるかカギになります。なるべくストローク戦にもち込んで、プレーできればと思います」(錦織)

グロスは、サーブはいいが、グランドストロークのミスが多い。錦織がグロスのサーブをしっかりリターンして、ストロークの打ち合いであるラリー戦にもち込めれば、錦織は試合の主導権を握れるだろう。

グラス(天然芝)コートは、ボールが滑るようにしてバウンドしてくるため、トリッキーな部分を含むが、錦織対グロスの1回戦は、各セット共に、サービスゲームのワンブレークが勝負を分けるようなスリリングな展開になるだろう。

実は錦織は、グランドスラム4大会のうち、ウインブルドンだけベスト8以上に進んだことがない。これまでウインブルドンでの錦織の最高成績は、2014年大会のベスト16だ。ここ2年、世界のトップ10に定着している錦織にとっては、決して満足のできる結果ではない。

「ここで結果を出したいというのは、やっぱり頭には常にありますね。以前フレンチ(全仏)でなかなか結果が出なかったのと同じように。最低やっぱり、(ベスト)8、4に入るのが目標としてはあります」

錦織の1回戦は、ウインブルドン開幕日の6月27日、ナンバー1コート(会場で2番目に大きいスタジアムコート)の第2試合に組まれた。

果たして26歳の錦織は、2016年のウインブルドンで、自己ベストの成績を収めることができるだろうか。大いなる挑戦が始まる。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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