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22歳コンビ加藤未唯と穂積絵莉が、全豪オープンテニス女子ダブルスで日本人ペアとして初のベスト4の快挙

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
全豪女子ダブルスで初のベスト4入りをした加藤(右)と穂積(左)(写真/神 仁司)
全豪女子ダブルスで初のベスト4入りをした加藤(右)と穂積(左)(写真/神 仁司)

テニス4大メジャーであるグランドスラムの初戦・オーストラリアンオープンの女子ダブルス3回戦で、加藤未唯/穂積絵莉組が、マリア・ルチッチ‐バローニ(クロアチア)/アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)組を6-3、6-3で破って、全豪で初のベスト4に進出した。グランドスラムとしても初のベスト4入りだ。

全豪で日本女子選手のベスト4は、2009年大会の杉山愛以来で、日本人ペアとしては初の快挙。全グランドスラムでのダブルスベスト4では、2014年USオープンのクルム伊達公子以来だ。また、全グランドスラムを通じての日本人ペアのベスト4は、2002年ローランギャロス(全仏テニス)の杉山/藤原里華組以来となる。

「いやもう自分でもびっくり。今日は相手もノーシードですし、自分達のプレーができればチャンスがあると思っていた。その中で、少し私は緊張していたんです。(3回戦の)セカンド(第2セット)でちょっと(集中力が)抜けてしまったところを、しっかりコーチ達と話し合って、締めて行こうと話していたけど、今日はしっかりセカンドで取りきれた。そういう部分も含めて、内容もいい試合だったと思うので、すごく嬉しいです」(穂積)

「3回戦と同じように前でしっかり動いてポイントを取っていこうと思っていたので、それが2セットとおしてできたのもすごく良かったですし、引かずに1セット目も2セット目も自分達から仕掛けられたので、すごく嬉しいし、ベスト4という結果もすごく嬉しいです」(加藤)

加藤/穂積組にとっては、初めてのグランドスラム準々決勝という舞台だったが、全くもの怖じすることなく、2人の力を出し切り、自分達のダブルスをやって試合を支配した。

「グランドスラムの準々決勝という、変な緊張はなかったんですけど、自分達ができることを全力でやろうと話していた。絶対チャンスはあるから、気持ちでは勝ちに行って、積極的にやっていこうと思っていました」(穂積)

「やることをしっかりして、楽しみながらいいプレーができればという気持ちでした」(加藤)

22歳同士の若い2人による、そして何といっても日本人ペアで成し遂げたことに、日本テニス界にとっては大きな意味がある。

準決勝では、第2シードのベサニエ・マテック‐サンズ(アメリカ)/ルーシー・サファロバ(チェコ)組と対戦する。グランドスラムでは、2015年オーストラリアンオープン、2015年ローランギャロス(全仏テニス)、2016年USオープンで優勝している強豪ペアだ。

「対戦したことがないし、あまり2人のプレーも見たことがないです。今まで第1シードや第2シードと当たった時に、名前負けしてしまったことがあった。当たる前から引いてしまう部分があったので、そういうところは無しにしたい。本当に強いペアですけど、自分達は引かずにいいプレーをできるようにして、勝ちに行きたいと思ってます」(穂積)

「私も対戦したことがないですし、どんなプレーかわからないですけど、チャレンジャーとして気持ちは引かずに、勝ちに行こうという気持ちを忘れず、また楽しんでいきたい」(加藤)

マテック‐サンズは、2017年1月9日に初めて世界ナンバーワンになったばかりだが、コート上で目を引くとても個性的なファッションでもよく知られている。

「いつも面白いなと思って見ているんですけど、更衣室でもすごく楽しそうにしている。この人1位なの、と思っちゃうくらいインパクトがすごい(笑)」(加藤)

準決勝は、1月25日ナンバー3コートの第4試合に組まれた。グランドスラムの大舞台で、加藤と穂積が失うものは何もないという気持ちで、第2シードペアに挑んでいけば、どこかで突破口を見出せるはずで、決してノーチャンスではない。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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