Yahoo!ニュース

昨年準優勝&第2シードの錦織圭、マイアミオープンテニスでマスターズ1000大会初制覇へ向けて好発進!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
マイアミオープン初戦となる2回戦を、危なげなく勝利した錦織圭(写真/神 仁司)
マイアミオープン初戦となる2回戦を、危なげなく勝利した錦織圭(写真/神 仁司)

マイアミオープン2回戦で、第2シードの錦織圭(ATPランキング4位、3月20日付け、以下同)が、ケビン・アンダーソン(74位、南アフリカ)を6-4、6-3で破って、6年連続で3回戦進出を決めた。

錦織は、第1セットの第5ゲームで、第2セットの第3ゲームで、いずれも先にサービスブレークに成功したため、試合を優位に進めることができた。

「(自分の)サービスゲームがすごく安定していたので、あまり危ないゲームもなかった。そういう意味では、リターンゲームで思いっきりできた。両セット共早めに、先にブレークできたので、たぶんより相手にプレッシャーをかけられたのかなと思います」

「フィーリングはすごくよかった」と振り返った錦織だが、サービスゲームの充実が光った試合であった。第1セットでは、ファーストサーブの確率が68%だったが、ポイント獲得率は86%。第2セットではファーストサーブの確率が57%だったが、ポイント獲得率は83%で、両セット共に非常に充実した内容だった。風が強かったため、回転系のサーブを多用して、さらにコースも散らしてアンダーソンのリターンミスを誘った。結局、ブレークポイントをアンダーソンに1回も与えなかった。

錦織がミスを11本に抑えたに対して、アンダーソンは34本もミスをした。30歳のアンダーソンは、元トップ10プレーヤーだが、昨年足首の手術をし、今シーズンはでん部のトラブルがあり、ベストコンディションにはほど遠く、今回は錦織の敵ではなかった。

3回戦で錦織は、第25シードのフェルナンド・ベルダスコ(30位、スペイン)と対戦する。昨年のローランギャロス3回戦は、5セットの末錦織が勝った。そして、2回戦とうって変わって激しいラリー戦になるのは必至だ。もし3回戦で錦織が、グランドストロークでよい感触が得られれば、4回戦以降の戦いにも好影響を与えることができるだろう。

今回のマイアミ大会ドローのボトムハーフ(下半分)では、2回戦が終了した時点でシードダウンが激しい。特に、錦織が4回戦で対戦する可能性のあった第15シードのパブロ・カレノ ブスタ(19位、スペイン)と、準々決勝で可能性のあった第7シードのマリン・チリッチ(9位、クロアチア)がすでに敗れている。

昨年のマイアミ準優勝者としていいスタートを切った錦織は、「(自分が)第2シードだと思っていないので、上が抜けただけで実力的にもまだまだ」と語る。アンディ・マリー(1位)とノバク・ジョコビッチ(2位)が欠場していることやシードダウンが激しい状況を、錦織としては追い風にして、マスターズ1000の初タイトルに近づきたい。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

神仁司の最近の記事