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侍ジャパンの4番は筒香が吉。中田は外国人投手が苦手?

小中翔太スポーツライター/算数好きの野球少年

WBC開幕まで2週間を切り、侍ジャパン強化合宿が始まった。まだチームの核が固定されていないが3月7日の開幕までには5試合の対外試合が予定されておりそこでの結果を踏まえてキューバ戦の布陣が固まるだろう。小久保監督は4番について中田と筒香の2人名前を挙げていたが、強化合宿初日終了後には筒香に決めたとの報道があった。

回転のキレイなボールが良しとされる日本に対し、外国人投手はパワーピッチングと手元で動くボールを武器とする。昨季、外国人投手を相手に好成績を残したのが坂本、山田、鈴木の3人だ。

坂本 打率.299 OPS.925

山田 打率.351 OPS1.253

鈴木 打率.368 OPS1.080

4番候補の2人は

筒香 打率.247 OPS.834

中田 打率.186 OPS.541

強打者の目安はOPS.800以上。昨季の中田はシーズンを通しても打率.250、OPS.738と迫力不足に終わったが外国人投手相手だとさらに分が悪かった。2015年も外国人投手に対しては打率.250でOPS.725、2014年も打率.183でOPS.544と昨季だけがたまたま悪かったというわけではない。筒香も2014年が打率.224でOPS.660、2015年が打率.231でOPS.746と手放しで喜べる数字ではないがシーズン同様年々成績を向上させている。

さらに中田は三振、四球の面でも芳しくない。昨季外国人投手相手に6四球で24三振。安打数は18本だから快音を残すよりもバットが空を切ることの方が多かった。選球眼を武器にするならば最低でも四球÷三振が0.8は欲しいところだが0.25。坂本の20三振21四球、山田の26三振24四球、筒香の23三振21四球と比べれば雲泥の差だ。

坂本、山田の高い出塁率を生かすなら初回に必ず打席に立つ1〜3番が望ましく、4番・鈴木は大会中の調子によっては選択肢の1つだが少々荷が重いかもしれない。となると数字上は一目で筒香が相応しい。

仮に筒香を4番に据えた場合の中田だが、3番か5番で起用すると絶好調モードに突入しない限りデータ上そこで打線が途切れる可能性が高い。それならば持ち前の長打力に期待してポイントゲッターになり得る6番か7番辺りでダブルクリーンアップ、恐怖の下位打線とした方が相手バッテリーにプレッシャーを与えられるのではないだろうか。しかも今回の侍ジャパンはチーム編成的に右打者が多く、左打者の打順はキーポイントとなる。中軸候補には坂本、山田、鈴木の他にも松田、内川らがおり3番と5番が右打者となるならば4番は左打者にした方が収まりがいい。

対外国人投手の成績と左右のバランス、4番・筒香は吉と出そうだ。

スポーツライター/算数好きの野球少年

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビや高校野球ドットコムにも寄稿する。セイバーメトリクスに興味津々。

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