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スマホの100%充電はNG?!

鴻池賢三オーディオ・ビジュアル&家電評論家
(写真:アフロ)

結論から言うと、スマホを充電したままにしておくと、充電池(内蔵バッテリー)の寿命は短くなります。

充電池劣化の原因

スマホに使用されている充電式のバッテリーは、その殆どが「リチウムイオン」タイプです。

リチウムイオンバッテリーが劣化する主な要因は「サイクル劣化」と「保存劣化」の2つ。

サイクル劣化とは、使用(放電)と充電の繰り返し(サイクル)によるもので、スペック欄には「充電可能回数」として、300回~500回程度と記載されているケースが多いようです。なお、「300回~500回」のカウント方法は、0%→100%の充電で1回。50%→100%の充電を行った場合は、1回でなく0.5回とカウントします。リチウムイオンは50%→100%のような継ぎ足し充電をしても、寿命や性能に影響はないとされています。

因みに、「300回~500回」の充放電を繰り返した後、電池が完全にダメになる訳ではありません。新品に比べて充電できる容量が80%程度以下に減少(劣化)し、この状態を寿命と呼んでいます。

もう1つの「保存劣化」は、放電や充電とは別に生じる経時劣化とも言える現象。充電が満杯に近い状態で、劣化が早く進みます。そう、スマホを100%充電した状態にしておくと寿命が縮まる・・・の原因です。

なお、100%充電状態でコンセントに接続したままなど充電を継続すると、軽微な放電とそれを補う充電を細かく繰り返す「トリクル充電」が起こり、これが寿命に悪影響を与えるという説がありますが、「トリクル充電」はサイクル充電の一部と考えられます。気を付けるべきは100%に近い状態での「保存劣化」なのです。

おすすめは「50%~80%」充電

自宅やオフィスでは、充電器に接続したまま、スマホの電池残量が常に100%の方も多いのではないでしょうか?

100%の状態が長時間継続するのは、先述の「保存劣化」の観点から好ましくありません。100%に達したら充電を止める、可能であれば、50%~80%程度の間で維持するのが、充電池の寿命を延ばす上で理想的です。

外出を考えると、50%充電は少々心もとないですので、自宅やオフィスでは充電が80%になったらコンセントから抜く・・・が現実的でしょう。

因みにノートパソコンの世界ではこうした管理は常識。筆者のノートパソコンも、設定で充電が80%にたっすると、自動で充電が停止するようにしています。また、電気自動車は大容量で高価な充電池を搭載しているため、表示は充電100%でも、内部では80%程度の充電に留めているそうです。バッテリーも「腹八分目」・・・ですね。

電池消耗の激しいアプリどうする?!

「50%~80%」充電をおすすめしましたが、これはあくまでも携帯電話として使う場合の話。もし動画視聴やゲーム、そのほか電池消耗が激しいアプリを使用する場合は、話が別です。

消費電力が大きいアプリを長時間使用すると、大放電&充電を繰り返すことになります。つまり、リチウムイオン電池の寿命に最も影響の大きい「サイクル充電」の観点で好ましくありません。

こんな時は、「パイパス給電」や「ダイレクト給電」などと呼ばれる機能にご注目を。これらは、バッテリーを迂回して内部の主要回路に電気を供給する機能。製品によってこうした機能が利用できるか否かが分かれますが、利用すると、サイクル充電によるバッテリーの劣化を回避することができます。

さいごに

バッテリの劣化を気にしすぎて、スマホを活用しないでいては本末転倒です。劣化で充電容量が低下した場合、バッテリーの交換もできますし、また、モバイルバッテリーを持ち歩く・・・という選択肢もあるので、外出が多く充電状態をコントロールできない方は、あまり神経質にならないよう・・・

一方、オフィスで内勤・・・という方の場合は、スマホを使う時間も少ないでしょうから「50%~80%」の実践を!内蔵バッテリーが長持ちすれば、余計な出費を抑えられて経済的です。

オーディオ・ビジュアル&家電評論家

AV機器メーカーで商品企画職を務めた後、米シリコンバレーのマルチメディア向け半導体ベンチャー企業を経て独立。オーディオ・ビジュアル評論家として専門誌などで執筆活動を行うほか、エレクトロニクス 技術トレンドに精通し生活家電を含むホームエレクトロニクス、ネットワーク家電、スマート家電の評価、製品の選び方、賢い使い方、および未来予想をメディアを通じて発信中。NHKほかテレビ出演も多数。ビジュアルグランプリ(VGP)審査副委員長/米ISF認証ビデオエンジニア/米THX認証ホームシアターデザイナー/一般財団法人家電製品協会認定家電製品総合アドバイザー/甲種防火管理者

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