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「それでは自宅からネットで飲みましょう」は受け入れられるか?

工藤啓認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

最近、外で飲むことが減りました。楽しいひと時を友人や知人と居酒屋で過ごすことはとても価値がありますが、子どもとの時間を大切にしたり、夜遅い帰宅で翌日に疲労を残すことを考えると、週に3日も4日も食事をするのは厳しい。もちろん、お金がかかるということもあります。

そんな話を子育てロールモデルであるNPO法人フローレンスの駒崎くんとしました。第二子が生まれ、育休を終えたところでお祝いをしてくれるというので日程調整をしていたのだけれど、なかなか合わない。それならネット経由で呑もうよ、ということで「パパネット飲み会」をガイアックスの佐別当さんを交えて行いました。

パパネット飲み
パパネット飲み

パパネット飲みのススメ

今年度からインドに赴任している千正さんとは物理的に会えないということもありましたら、昨年末に忘年会ということでやはりネットを通じて飲み会をしました。時差をあわせながら結局楽しくて4時間近く飲んでました。

ネット飲み
ネット飲み

千正さんは翌日二日酔いになったということもありましたが、互いの状況を語り、どうでもいい話をしたりと、それは楽しいひと時でした。それ以来、「今度、食事をしましょう」と言われると、特に忙しい時期には「ネット経由で飲みませんか?」とふってみるものの、なかなか実現しません。

実際にお会いして食事をすることができれば、そちらの方が僕もいいように思いますが、いろいろな制約を考えると、時にネット経由で自宅×自宅(または職場)という選択肢が持てると、約束が2ヵ月後とかにならないので、相手にも嫌な思いをさせなくていいのにな、とも思うんです。

ネット飲み会には、利点もあります。ひとつは、自宅なので酔っ払って帰宅する必要がありません。すぐにお風呂に入れますし、寝られます。飲み物や食べ物は自前で用意するのでコストも自分次第です。何より、子どもが夜寝起きした場合に即効で駆けつけることができます。千正さんとネット飲みしているときは、子どもが泣いたので30分ほど画面を離れました。そのときは、テレビの年末特番(現地ではライブで見られない)にカメラを合わせて、中座しました(千正さんが見ていたのかはわかりません)。

飲みやすい空間、注文すれば出てくる美味しい食事や飲み物、何よりも実際に顔を合わせて語れることに比べると、ネット飲み会はクオリティーが落ちるように思われます。また、3名から4名が限界です。一度、長野県での懇談会に出席ができず、ひとりで自宅からネットで入りましたが、さすがに厳しかったです(笑)

ただ、二回やっていて、そのようなデメリットも大きな影響を及ぼすことはなく、楽しく予定時間をオーバーしてしまったくらいです。ただ、女性と話をしたらプライベート空間からの参加は気がひけるという声もありました。制約はあるものの、子育てや疲労、資金などの制約があっても楽しく話ができるネット飲み会は、もう少し広がってもいいんじゃないかと思っています。

認定特定非営利活動法人育て上げネット 理事長

1977年、東京都生まれ。成城大学中退後、渡米。Bellevue Community Colleage卒業。「すべての若者が社会的所属を獲得し、働くと働き続けるを実現できる社会」を目指し、2004年NPO法人育て上げネット設立、現在に至る。内閣府、厚労省、文科省など委員歴任。著書に『NPOで働く』(東洋経済新報社)、『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『若年無業者白書-その実態と社会経済構造分析』(バリューブックス)『無業社会-働くことができない若者たちの未来』(朝日新書)など。

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