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ノート(7) 徹底捜査を宣言した最高検にその資格があったのか

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~葛藤編(4)

逮捕当日(続)

逃げる

 そもそも最高検に証拠改ざん・犯人隠避事件を捜査する資格があるのか。最高検自ら徹底捜査に乗り出すとの報道を見た時、率直にそう感じた。

 2010年1月に始まった厚労省虚偽証明書事件の裁判では、証人として出廷した関係者が次々と捜査段階の供述調書の内容を否定した。5月には大阪地裁もそうした供述調書の大部分を証拠として採用しないと決定した。

 無罪判決が見えてきたこのころから、最高検は露骨なまでに責任逃れの態度に終始するようになった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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