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ノート(40) 最高検と有識者による厚労省事件の検証について思ったこと

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~解脱編(12)

勾留13日目(続)

最高検が検証へ

 この日は、夕方に録音が流された昼のNHKニュースでも、改ざん事件のことが大きく取り上げられていた。

 最高検が、厚労省虚偽証明書事件における検察の決裁状況などについて、外部の有識者を入れた検証を行うという。当時の高検幹部や最高検の担当者らからも聴取し、年内をめどに検証の結果を公表するとのことだった。

――どうせ彼らは僕にだまされたというトーンで説明するだろうが、必ずしもそうとばかりは言えないし、そもそも最高検や有識者に深みのある検証ができるはずもない。

 ニュースを聴き、以下のような疑念が次々と頭をよぎった。

指揮命令系統の無視

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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