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台風4号が北上。梅雨前線が活発化し大雨の恐れ

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
19日(水)の雨の予測。活発化した梅雨前線が本州付近を南下する。

18日午前9時に、フィリピンの東で台風4号が発生しました。台風は北上を続けて、沖縄へ接近。梅雨前線を活発化させて、本州付近にも大雨をもたらす恐れがあります。

台風4号は沖縄へ

6月18日9時現在の台風4号の予想進路(気象庁ホームページより)
6月18日9時現在の台風4号の予想進路(気象庁ホームページより)

台風4号は、北上を続けて、19日夜(水)から20日(木)にかけて沖縄へ接近し、強風や高波を引き起こします。今のところ、石垣島や宮古島など先島諸島方面へ進む見通しです。

台風は、沖縄より北へ進む頃には形が崩れますが、怖いのは水蒸気を大量にふくんだ亜熱帯の空気を列島に送り込んで、梅雨前線の周辺でも大雨を降らせるような雨雲を作り出すことです。

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台風3号の時より危険な雨に

先週も台風3号と梅雨前線の組み合わせはありましたが、今回、決定的に違うのは、梅雨前線の「動き」。梅雨前線が南下してくる危険なパターンです。

大雨の原料となる大量の水蒸気は、南や南西方向からやってきますが、いくら大量に流れ込んでも、そのまま素通りするなら、それほど怖くはありません。

ところが、梅雨前線が南下してきていると、それが壁のようになって、南から来る水分を受け止めて落とす形(=雨)になってしまいます。

梅雨前線が南下する、19日(水)にかけては、九州から関東・北陸にかけて大雨の恐れ。前線に動きがあるので、激しい雨は数時間くらいになる見通しですが、もし前線の動きが鈍ると、トータル雨量として大雨になる恐れも。中国地方や九州北部は、その気配もあるので、要警戒です。

情報を継続して得ることの大切さ

今の予報技術では、一日前・半日前で出来るのは、「この範囲で大雨の恐れがある」という、ポテンシャルを示す予報です。数時間前くらいになって、場所がしぼられていきます。

もちろん実際には、予報範囲の全域で、大雨が起こるわけではありません。みなさんも、それをどこかで分かっているので、大雨の情報を知っていても、「まさか自分が」となってしまいます。

災害が起こる時は、たいてい「今までは違ったのに今回は…」です。

「まさか」を減らすには、「大雨の恐れがある」地域に自分が入っていたら、継続して情報をウォッチすることが大事です。気象レーダーアメダスで、周辺の雨の量を見るだけでも、大雨が差し迫っているかを把握できます。

「恐れがある」を頭に入れつつ、実際にどうか確認し続けるということを、これからの大雨シーズン、意識していただければと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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