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週末はまた寒波 来週はさらに強烈な寒波も

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
13日(土)の上空の気温。日本には寒気(青色)が南下。オレンジ色は暖気。

今週末(13・14日)はまた寒波がやってきます。しかも、来週の中頃(17・18日頃)には、一段と強烈な寒波がきて、日本海側だけでなく、太平洋側でも雪の降る所が出てきそうです。

寒気が波のように引いては押し寄せる

今回の寒波は、12日(金)に日本海側から入り始め、13日には列島をすっぽりと覆います。前の週末くらいの低温となって、日本海側では各地で雪に。山沿いを中心に大雪となる所も出てきそうです。

13日(土)午後に予測される天気
13日(土)午後に予測される天気

この寒波は、週明けにいったん引きますが、16日(火)・17日頃からまた寒波が南下します。冬のピークに来ても十分に強いレベルの寒気で、来週中頃はいっそう気温が低下。日本海側は、広く大雪となるおそれがあります。

山間部など、積雪によって孤立する可能性がある地域は、食料や持病のある方の薬、停電になっても暖や連絡をとれる手段を、あらかじめ準備しておきたいところです。特にご高齢の方には、周囲が事前にひと声を。

太平洋側で雪の所も

来週中頃の寒波では、太平洋側でも九州~東海、東北など雪の降る所が出てきそうです。

まだ場所のしぼり込みは難しいですが、ご自身の地域への影響がどれくらいか、日が近づくにつれて出る最新情報をご確認ください。

なぜ次々と寒波?

寒波が立て続けに来ている理由は、主に2つです。

風上にあたるシベリア付近が、強い寒気のたまり場になっていること。そして、上空の偏西風が大きく蛇行して、シベリアから寒気が南下しやすい流れになっていること、です。

大寒波だったアメリカは季節はずれの暖かさに

18日(木)の上空の気温。(青色…寒気、オレンジ色…暖気)
18日(木)の上空の気温。(青色…寒気、オレンジ色…暖気)

11月に季節はずれの寒波に見舞われ、大雪や広範囲で氷点下となったアメリカですが、今は季節はずれの暖かさになりつつあります。「クリスマス前なのに冬らしくない」というニュースが、そろそろ入ってくるでしょう。

北極圏から南下する寒気が、北米大陸から少し東へずれ、今は大西洋に向かっています。

このように、上空の風が少しずれて、寒気の南下する場所が少し変わるだけで、天候はガラッと変わります。

日本は12月下旬まで、寒気の流れ込みやすい状態が続きますが、その後は一転する可能性もあるわけです。

季節は、ひとくくりにできない

おそらく1月・2月は、寒波が息切れして、寒くない時期があるはずです。そうかと思うと、また寒波がやってくる…それの繰り返しです。

冬に入る前の記事でも書きましたが、「暖冬」「寒冬」など、ひとくくりにできる季節は、ほとんどありません。

今年の夏、西日本は8月に雨が多くて気温が上がらず、「冷夏」とされていますが、7月後半は熱中症で亡くなる方が相次ぐような猛暑が続きました。季節の中には、必ず波があります。

ひとくくりにできないものを「暖冬だ」「寒冬だ」と無理にくくる、そんな表現の悪習をそろそろ止めても良い頃だと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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