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3つの台風が北上中 梅雨明けは見通せず

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
7日午前10時の気象衛星画像

(※2015年の記事です)

7日現在、日本の南海上に9号・10号・11号と3つの台風が発生しています。今後、日本への影響が次第に大きくなってきますが、これらの台風の動きにより、梅雨明けは見通せない状況となっています。

3つの台風の進路は?

台風9号

台風9号の進路予想図(7日午後6時)
台風9号の進路予想図(7日午後6時)

9日(木)~10日(金)に、沖縄へ最も接近する見通しです。

沖縄では暴風や大雨となり、交通機関が大幅に乱れるおそれも。その前から高波が押し寄せ、九州~本州の太平洋岸でも、今週は西日本を中心に波が高くなりそうです。

台風は沖縄付近を通り、その後は大陸へ進むか、東シナ海を北上。本州付近へ接近するおそれは、小さくなってきました。

台風10号

台風10号の進路予想図(7日午後6時)
台風10号の進路予想図(7日午後6時)

台湾付近で次第に弱まり、日本列島へ直接的に影響することはなさそうです。

ただ、亜熱帯の空気を連れて北上してきており、9号とともに、高温多湿の空気を日本列島へ送り込む供給源に。今週は、各地で蒸し暑くなってきます。

台風11号

台風11号の進路予想図(7日午後6時)
台風11号の進路予想図(7日午後6時)

来週にかけて、日本付近へ北上してくる見通しです。

本州付近へ接近するコースから、東海上へそれながれカーブするコースまで、まだ予測に幅がある状況ですが、9号よりは東を北上する確率が高く、関東など東日本へ近づく可能性もあります。

早い梅雨明けはなさそう

台風9号が西へ進むことから考えると、今週後半は本州の南で、夏をもたらす太平洋高気圧が一時的に強まりそうです。台風を西へ押し出すわけです。

台風9号の接近時は、太平洋高気圧がいったん西へ強まる。
台風9号の接近時は、太平洋高気圧がいったん西へ強まる。
台風11号の北上時は、太平洋高気圧が東へ退く。
台風11号の北上時は、太平洋高気圧が東へ退く。

もし台風11号も、9号と同じように西にコースをとるようであれば、太平洋高気圧の強さが持続するということですが、11号は東寄りのコース。太平洋高気圧は東へ、いったん退くということです。

そうなると、梅雨明けはすぐにはありません。早くても3連休の前後、太平洋高気圧が成長できなければ7月下旬以降にずれ込むということになります。

なお、平年の梅雨明けは、奄美が6月29日頃、九州南部が7月14日頃、中国地方~関東甲信が7月21日頃、東北北部だと7月28日頃です。  

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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