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今年の夏は終了へ 早くも秋雨シーズンに

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
8月28日時点の週間予報。

関東など東日本では、夏空が続かなくなっています。さらに、来週・再来週の9月上旬にかけては、本州付近に秋雨前線が停滞。今は晴れ間の出ている西日本も含め、このさきは曇りや雨の日が多くなりそうです。

「秋雨入り」します

30日(日)の雨の予測。台湾方面から長くのびる雨の帯が秋雨前線。
30日(日)の雨の予測。台湾方面から長くのびる雨の帯が秋雨前線。

梅雨は入り・明けの発表が気象庁からありますが、秋雨はそこまでの扱いはされていません。

ただ、関東など東日本では、雨量が多いのは、梅雨よりも9月~10月半ばの秋雨シーズンです。つまり、秋雨はもう一つの「雨季」とも言えるわけです。

もし「秋雨入り」の発表があるなら、今のタイミングで検討されているでしょう。

9月も暑い日がまだまだありますが、季節は変わり目に来ています。

影の主役は台風15号

29日の上空約5千mの風。低気圧(元台風15号)の反時計回りの渦が、雨雲を呼ぶ。
29日の上空約5千mの風。低気圧(元台風15号)の反時計回りの渦が、雨雲を呼ぶ。

天気予報のセオリーの一つとして、日本周辺で上空の風が「南西」から吹いてくると、曇りや雨になることが多くなります。

このさき9月上旬にかけて、上空の風は南西からに。影の主役は台風15号です。

温帯低気圧に変わったあと次第に衰弱していますが、朝鮮半島の北で渦としては残り、歯車のように南西からの風を引き上げます。

その流れによって、湿気や雨雲が日本列島へ流れ込んできます。

豪雨もある秋雨

「秋雨」と聞くと、シトシトと降る雨をイメージする方もいるかもしれませんが、じつは豪雨の季節でもあります。

たとえば、東京や名古屋では、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降った日数が、最も多い月が9月です。

来週・再来週にかけて、雨雲のルーツは東南アジアなどの南方。大雨に油断できない秋雨となりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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