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台風18号あす本州直撃 中心から離れた関東でも大雨・突風のおそれ

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風18号の進路予想図。

台風18号は北上を続けて、あす9日の朝にも、東海地方または紀伊半島に上陸する可能性が高まっています。台風の中心から離れた関東でも、大雨や突風に警戒が必要です。

中心気圧で甘く見ると危険な台風

現時点の予測では、台風18号は、中心気圧が985~1000hPa前後で、最大風速は20m/s台。広範囲で混乱するような暴風は考えにくい状況です。

しかし、大雨は、中心気圧とは関係なく降ります。中心気圧などを見て「たいしたことない」と思っていると、危険な台風です。

位置とコースで甘く見ると危険な雨台風

8日夕方の雨の予測。台風本体は南海上だが、秋雨前線の活発な雨雲が本州にかかる。
8日夕方の雨の予測。台風本体は南海上だが、秋雨前線の活発な雨雲が本州にかかる。
9日朝の雨の予測。この前後に、台風は東海地方または紀伊半島に上陸するおそれ。
9日朝の雨の予測。この前後に、台風は東海地方または紀伊半島に上陸するおそれ。
9日昼頃の雨の予測。台風本体の雨雲は主に日本海だが、関東に活発な雨雲。
9日昼頃の雨の予測。台風本体の雨雲は主に日本海だが、関東に活発な雨雲。

今回は秋雨前線が停滞していて、台風の接近前から降る、典型的な雨台風パターンです。

特に近畿・東海・関東甲信では、あす9日にかけて大雨に。

台風の東側に活発な雨雲が広がるため、中心から離れた関東でも急な激しい雨のおそれがあり、一部の交通機関に影響が出る可能性もあります。

また、竜巻など突風も、特に台風の東側・北側では、起こる可能性を頭に入れておきたいところです。

急襲台風に不意を突かれないために

結果的に、何も起こらなかったという地域も出てくるでしょうが、悪いほうに考えるのが防災の基本です。

防災に特効薬はなく、少しでもリスクを避ける行動をとるしかありません。

大雨が続いているようなら、川や用水路など危険な場所に近寄らない、屋内でも斜面から遠い部屋の2階にいるなどです。まずは心の準備をお願いします。

そして何より、知らないことには備えようがありません。

今回の台風は昨日発生して、明日には上陸するという素早さです。台風が近づいていることすら知らない人がいる可能性もあります。直接の会話やSNSで話題にして、台風情報を共有して頂ければと思います。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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