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台風21号発生 今週末~来週明けに日本へ接近の恐れ

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風21号の進路予想図。

23日朝、台風21号が発生しました。発生はサイパンなどマリアナ諸島の西。この辺りから北上する台風は発達しやすいのが特徴です。今週末にも、日本列島へ接近する恐れがあります。

急カーブ・急加速する秋台風

秋は日本付近の上空で、強い西風(偏西風)が吹いているため、この風に乗る秋台風は急カーブ、急加速しやすくなります。台風21号も、まずは北西方向へ進んだあと、今週後半~来週明けは東へカーブして、加速します。

今週後半の上空9000m付近の風の予測。ピンク色の矢印が強風=偏西風帯。
今週後半の上空9000m付近の風の予測。ピンク色の矢印が強風=偏西風帯。

現時点では、本州の南海上を通過する可能性がやや高めですが、偏西風があまり南下していなければ、台風は本州付近に近づき、関東など東日本に接近する恐れもあります。

このあたりが、まだ進路の予測に幅がある一因となっています。

秋雨前線による雨の影響

もし台風が本州の少し南を通るとしても、油断できないのが雨です。台風が近づく前から、本州付近で秋雨前線が復活します。

つまり、台風本体の雨雲がかからない場合でも、週末は秋雨前線による雨雲がかかる可能性があるということです。当然、台風が大量に水蒸気を送り込めば、大雨の恐れも出てくることになります。

静かな時に備える

大雨が迫った時に、雨量情報や雨雲レーダーのサイトを訪れる人は急増します。差し迫った荒天の情報を確認することは、非常に重要です。

ただ、自分が住んだり仕事をしている場所は、どのような危険があるのかを知っていないと、それらの情報は活きません。本当は川の水位を確認しなくてはいけない場所だったのに、山の雨量を確認してしまう可能性だってあります。

つまり、「事が動いていない時」に、危険を熟知しておくことが、いっそう重要なわけです。

台風がまだ遠いうちに、自治体の防災ページなどで、改めて身の回りの危険を調べておきたいところです。

国土交通省ハザードマップポータルサイト各種ハザード情報

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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