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台風21号 週明けにかけて沖縄に接近 来週後半は本州にも影響

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風21号の進路予想図。

台風21号は、今週末から沖縄へ近づき、28日(月)に最接近する見通しです。その後、台風は大陸方面へ進みますが、それで終わりではなく、来週後半に本州付近に影響する恐れがあります。

沖縄は大荒れに

台風21号の影響で、沖縄では今週末から海は大しけです。先行する活発な雨雲がかかって、一時的に激しく雨が降る恐れもあります。

現時点の予測では、台風は28日(月)に宮古島など先島諸島へ進む可能性が高く、周辺では大荒れとなりますが、少し北に寄って進むと、本島地方も影響が大きくなるため、警戒は怠れません。

沖縄を通過後、それで終わらず

台風21号は、発生当初の予報より、かなり西に進む進路予報に変わってきました。

北西方向に進み、その後、本州上空を流れる偏西風に乗って東へカーブ、というシナリオだったのが、偏西風に乗る前に、どんどん北西方向へ流れているような状況です。

沖縄を通過後も北西方向へ流れ、大陸に進む予測となっていますが、ただ、それで終わりではありません。

来週後半は本州付近でも大荒れの恐れ

来週後半、台風(もしくは熱帯低気圧)の接近を予測するデータの一つ(NOAAより)
来週後半、台風(もしくは熱帯低気圧)の接近を予測するデータの一つ(NOAAより)

沖縄通過後の予報シナリオは、主に2つあります。

一つ目は、大陸に上陸する手前でカーブし、その後、東へUターンするシナリオ。この場合は、来週なかば以降に、台風として九州など西日本へ接近する恐れがあります。

台風21号が大陸に上陸後、来週後半に温帯低気圧の発達を予測するデータの一つ。
台風21号が大陸に上陸後、来週後半に温帯低気圧の発達を予測するデータの一つ。

二つ目は、大陸に上陸するシナリオです。

この場合、台風としては勢力が衰えますが、残骸の暖かく湿った空気が、本州付近へUターンします。それがエネルギーとなり、来週後半に本州付近を進む低気圧(温帯低気圧)が、急発達する一因に。広範囲で、激しい雨や暴風の恐れが出てきます。

現時点では、二つ目のシナリオの確率がやや高めですが、いずれにせよ本州付近に影響は出てきそうです。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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