今週は寒気南下でゲレンデに待望の雪 それでも暖冬傾向は続く
暖冬傾向が続く日本列島に、ようやく寒気が南下してきます。
16日(水)に西日本から入りはじめ、17日には列島を覆う形に。日本海側の各地は広く雪が降り、局地的には大雪となる所も出てきそうです。
局地的な大雪に注意
17日(木)~19日(土)は、寒気の影響で全国的に気温が低下して、冬らしい寒さとなります。
特段に強い寒気ではないものの、12月はまだ日本海の海水温が高く、水蒸気が多く供給されやすいため、寒気の強さのわりに雪の量が多くなることがあります。
日本海側では山沿いを中心に、局地的な大雪となる所もあり、山間集落の孤立など注意が必要となります。
それでもまだ続く暖冬傾向
今週の寒気で、雪不足のゲレンデには待望の雪が降りそうですが、ただ、「豊富」と言えるほどの量ではなさそうです。20日(日)には寒気が足早に抜けていくためです。
来週後半、クリスマス頃にも寒気がやってきそうですが、これも一時的となる見通しです。
このさき暖冬傾向が続くと、ゲレンデだけでなく各方面にも影響が出てきます。過去の暖冬では、
・野菜は豊作に。しかし、値崩れのため、産地での廃棄が相次ぐ。(04年・全国)
・自治体の除雪費が半減。一方で、除雪の建設業者は悲鳴。(07年・青森)
・バイクの盗難が増加。積雪が少なく、乗る機会が多いため。(07年・宮城)
・長靴が売れる。雨や湿った雪が多く、道路が水っぽいため。(09年・北海道)
といったことが起こっています。
今冬は“短くても”、12月中は暖冬傾向が続く気配が濃厚で、これらと似たようなことが起こるかもしれません。
1月は急な寒気襲来や大雪に油断できず
強いエルニーニョ、暖冬傾向など、今冬とよく比較される1997年12月~1998年2月は、長野五輪があった冬です。
この冬は雪不足が心配され、雪を残す工夫として地熱を遮るため競技会場の一部に畳が敷かれたり、実際に12月時点で雪不足だったため、雪乞いが行われたりもしていました。
ところが、1月になると、関東甲信地方に大雪をもたらす南岸低気圧が立て続けに通過。寒気も流れ込み、2月の五輪前には雪不足は解消されました。
今冬も暖冬傾向が続くなか、1月以降、急にドカッと雪が降るということは、シナリオの一つとして頭に入れておく必要があります。