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春本番の陽気 今週末~来週は桜の開花ラッシュに

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
さくら開花前線(14日 ウェザーマップ発表)

今週後半は、南から暖気が押し寄せ、春本番の陽気となります。この陽気があと押しをして、今週中にも桜が開花するところが出てきそうです。

今年は平年より早い開花に

今後の予想最高気温。
今後の予想最高気温。

今年は、2月~3月上旬の気温が高く、桜(ソメイヨシノ)の花芽は平年より早く成長しています。

東京の標本木(観測の基準になる木)は、早ければ18日(金)、遅くても3連休中には開花。九州北部も、今週末に開花するところがありそうです。

来週は気温やや低下 それでも開花への勢い止まらず

来週は、極端な寒さはないものの、気温は今週後半に比べて低くなり、季節はやや足踏みをします。

ただ、桜は20℃前後の日がしばらく続いたあとは、開花に向けて成長が加速します。

気温が少しばかり低くなっても、車が急に止まれないのと同じように、開花への勢いは止まりません。

来週には、関東~九州北部にかけて、各地で桜が開花する見通しです。

見頃までは少し時間あり

東京のさくら見頃グラフ。グラフが上ほど多く開花することを表している。(14日発表)
東京のさくら見頃グラフ。グラフが上ほど多く開花することを表している。(14日発表)

開花から満開まで、今年は少し時間がかかりそうです。

理由は暖冬です。

桜の花芽は冬に厳しい寒さを経験すると、目が覚めたかのように、成長に向けて準備を始めます。

ところが、暖冬で寒さが足りないと、準備を始める花芽もあれば、寝ぼけたままで準備が遅れる花芽も出てきます。

そのバラつきは春まで尾を引いて、一つの木の中でも開花のタイミングにバラつきが出て、木全体的に花が開く「満開」まで時間がかかる傾向があります。

よくそろったマスゲームは一瞬で全体の色が変わるのに、バラバラなマスゲームは全体の色が変わるまでに時間がかかるのと似ているかもしれません。

東京など早く開花する地域でも、満開になるのは3月の終わりとなりそうです。

■最新のさくら開花予想:http://sakura.weathermap.jp/

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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