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雨がつきまとう日本開催のサミット 伊勢志摩サミットも?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:アフロ)

26日、27日に伊勢志摩サミットが開催されます。

過去、日本で開かれたサミットは、雨に降られることが多かったのですが、今回も雨雲が近づく予報となっています。

国内サミットは、計14日のうち10日が雨

過去、国内で開かれたサミット時の気象観測を調べてみると、

■1979年の東京サミット(6/28~29)…28日午後~29日に雨。

■1986年の東京サミット(5/4~6)…4日午前、5日午後、6日午後に雨。

■1993年の東京サミット(7/7~9)…7日は断続的に雨、9日午後に雨。

■2000年の九州・沖縄サミット(7/21~23)…23日の終了頃から雷雨。

■2008年の北海道洞爺湖サミット(7/7~9)…7日~8日、断続的に雨や霧。

となっています。

伊勢志摩サミットは雨を避けた日程だったが…

今回の伊勢志摩サミットは、要人のヘリ移動が想定されています。雨や霧など悪天候の場合は、陸路に変更され、大がかりな警備が必要となります。

そういった事情もあり、昨年、日程が発表された際は、「梅雨にかからない方がいいと判断した」という政府関係者のコメントもありました。

ただ、東海地方の梅雨入りの平年日は、6月8日頃です。5月の終わりにもなれば、梅雨前線がときどき北上するなどして、梅雨のはしりで雨が降ることもあります。雨の有無で考えると、5月下旬の開催は、安心とは言いづらい日程です。

現時点の予報では、今週26日~27日の三重県付近は、前線が近づき、一時的な雨が何度か降る見通しです。

かなり先の予定を決めるには?

現在、日ごとの予報が出せるのは10日先までで、1か月や1年先の日ごとの天気を予報する技術はありません。

かなり先の予定を決める際に、ひとつ参考になるのが天気出現率(過去30年で日ごとにどんな天気が現れたかの統計)です。気象台のサイトなどに載っています。

「6月は雨が多い」「10月は晴れやすい」など漠然としたイメージを持っている方も多いと思いますが、細かく見ると、同じ月の中でも天気の傾向は違うものです。

たとえば東京なら、同じ6月でも、上旬は意外と雨の日が少ない一方、下旬は一年で最も雨の日が多くなっています。ジューンブライドをするなら、上旬に結婚式場を予約するのが良いかもしれません。

10月は、上旬がまだ秋雨の時期という年もある一方、後半になるほど晴れる日が多くなります。

もちろん年ごとに天気は変わりますが、先の予定を立てるうえで、都合の良い天気が現れやすい時期を選ぶのが、賢い情報の使い方だと思います。

伊勢志摩サミット 梅雨を避けたのは前回の教訓?(2015年6月24日)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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