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梅雨前線がなぜ停滞? 九州~本州は来週にかけて断続的に大雨

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
25日(土)朝の雲と雨の予測。白が雲域。日本列島に梅雨前線が横たわっている。

各地に大雨を降らせている梅雨前線。来週にかけても九州~本州付近を行ったり来たりし、大雨の降りやすい状況が続きます。一方、関東ではこのタイミングで雨を逃すと、水不足が一段と深刻になるおそれがあります。

なぜ梅雨前線が離れない?

梅雨前線が東西に長くのびる。北側には高気圧があり、前線の北上を遅らせる一因に。
梅雨前線が東西に長くのびる。北側には高気圧があり、前線の北上を遅らせる一因に。

夏の高気圧の張り出しが南から強まると、押されるように梅雨前線は北上します。

今は、梅雨明けした沖縄・奄美が夏の高気圧に覆われ、その北側である九州~本州付近に梅雨前線が位置しています。日本の梅雨全体で見ると、「中盤」といった状況です。

沖縄・奄美まで梅雨明けしたなら、九州や本州の梅雨明けも遠くない気がしますが、平年では沖縄の梅雨明けから、九州南部の梅雨明けまで約3週間、関東の梅雨明けまで約1か月かかります。

夏の高気圧が北まで拡大するのに時間がかかると言えばそれまでですが、もう一つの原因は、九州や本州の北側にたびたび現れる高気圧です。高気圧が、北からの「重石」のような存在となり、梅雨前線は九州・本州付近から北へ進むのに時間を要します。

九州はいっそうの警戒が必要に

28日(火)の雨の予測。梅雨前線の雨雲が九州~本州付近に横たわる。
28日(火)の雨の予測。梅雨前線の雨雲が九州~本州付近に横たわる。
29日(水)の雨の予測。
29日(水)の雨の予測。

梅雨前線は、多少の南北の動きはありますが、九州・本州からすぐに離れそうにありません。来週にかけても、九州~本州付近を梅雨前線が行ったり来たりし、大雨のおそれがあります。

24日(金)の上空約1500mの相当温位。暖色が濃いほど高温多湿を表す。
24日(金)の上空約1500mの相当温位。暖色が濃いほど高温多湿を表す。

特に今は、インド~中国南部に雨雲のもとにもなる、かなり高温多湿の空気があり、一部が日本列島に流れ込んでいます。西から流れ込むため、玄関口にあたる九州など西の地域で、雨量が多くなる傾向です。

今はなんとか持ちこたえている地盤も、次の雨では持ちこたえられない、ということがあるかもしれません。雨量が積み重なるたびに災害の危険が増します。少しでも異変を感じるようなら、念のための避難行動をお願いしたいところです。

水不足解消の鍵をにぎる梅雨中盤の雨

九州など西日本ほどの量ではありませんが、東日本・北日本でも雨は降りやすく、局地的には激しい雨のおそれもあります。

問題は、どこでまとまった雨になるかです。水不足のおそれがある関東の水源地に、来週・再来週あたり、うまく降ることを願うばかりです。

この梅雨中盤の雨を逃すと、梅雨後半は晴れ間が出る日が増えることもあり、関東の水不足はいっそう深刻になります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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